2018/08/28 11:00

なぜ『MEG ザ・モンスター』は“サメ映画売り”しないのか?

©2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., GRAVITY PICTURES FILM PRODUCTION COMPANY, AND APELLES ENTERTAINMENT, INC.

9月7日より日本公開される『MEG ザ・モンスター』。このタイトルは日本だけのもので、原題はシンプルに『MEG』です。“メグ”というと可愛らしい響き、女の子の名前っぽさから、この映画の内容とはほど遠い(笑)。もしかしたらそのために、“ザ・モンスター”とつけたのかもしれません。しかし、『MEG ザ・シャーク』としなかったことは、この映画の特色を現しています。

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時代が映画に求めた巨大怪獣性

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いわゆるサメをテーマにした、ないしフックにした海洋ホラー映画というのは沢山あり“サメ映画”というジャンルが成立するぐらい人気なのです。しかし『MEG ザ・モンスター』はあえてこの“サメ映画”売りをしなかった。

というのも、この映画に出てくるメグは既存のサメではなく、恐竜の時代から海を支配してきた“伝説の超巨大ザメ”であり、神秘的なクリーチャー。だから日常にいる既知の生物の延長というより恐竜ゴジラやキングコングに近い。

昨年公開された怪獣映画の傑作キングコング映画のタイトルが『キングコング:髑髏島の巨神』であって、決して『髑髏島の巨猿』でなかったと同じくらいメグは“サメ”ではなく“モンスター”(笑)。

そう言えばここ数年、巨大怪獣映画が次々と封切られています。キングコングに加え、『ジュラシック・ワールド』シリーズ、『パシフィック・リム』シリーズ、『シン・ゴジラ』(2016年)、『ランペイジ 巨獣大乱闘』(2018年)、来年にはハリウッド版キング・ギドラ、ラドン、モスラが登場する『ゴジラ:キング・オブ・ザ・モンスターズ(原題)』、さらに2020年にはハリウッド版”キングコングVSゴジラ”が公開予定です。

いま様々なデバイス(スマホ等)で、これだけいろいろな映像が観られる時代において映画館で映画を観ることに期待するのは、大画面で楽しみたいコンテンツであり、“巨大怪獣”というのはうってつけの素材なのでしょう。

また現実社会で大きな災害や殺伐とした事件が多いと、いわゆるディザスター映画やテロリストが出てくるアクション映画を昔ほど楽しめない。でもやっぱり大爆発のスペクタクルや派手なアクションを観たい、気持ちもあるわけで、怪獣映画ならこうしたニーズにこたえられる“娯楽”に仕立てやすいのです。

サメ映画売りをしなかった理由

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『MEG ザ・モンスター』がアクション映画として仕上がった点も、プロモーションで“サメ映画”売りしなかった理由かもしれません。サメ映画は、基本ホラー映画のジャンルで、サメに恐われる恐怖を描きます。

当初『MEG ザ・モンスター』の監督は、『ホステル』や『グリーン・インフェルノ』などの血まみれ映画のイーライ・ロスと交渉中と伝えられていました。もしロスが監督していたら、巨大ザメがもっと人を喰いまくり、文字通り血の海になるような映画に仕上がっていたかな。

しかし本作は最終的に、『ナショナル・トレジャー』シリーズのジョン・タートルトーブが監督、そしてなんと言ってもジェイソン・ステイサムが出演になったことで“海洋アクション映画”になったわけです。つまりサメに襲われるスリルよりも(もちろん、これもタップリ楽しめるんですが)、ステイサム兄貴がこの怪物をどう倒すか、その無双っぷりをツッコむ映画なのです。

正直イーライ・ロス版の『MEG ザ・モンスター』も観たかったけれど、本作は爽快なアクション・アドベンチャー映画に仕上がっていて、すごく楽しめました。ステイサムがヒーローですが、メグもまた主役。もちろん怖いモンスター、こんな大きなやつがいまでも生きていたらロマンチックだな、そんな気持ちにもなれるぐらいチャーミングです。

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2018年9月7日(金)丸の内ピカデリー、新宿ピカデリー他、全国ロードショー
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配給:ワーナー・ブラザース映画
公式サイト:www.megthemonster.jp

文・杉山すぴ豊

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