2018/08/30 11:30

楽曲提供…だけじゃない!HYDEと映画のアツ〜イ関係

『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』/10月12日(金)全国ロードショー/(c)2018「音量を上げろタコ!」製作委員会/配給・制作:アスミック・エース

10月12日公開の『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』は、圧倒的な声量を誇る世界的ロックスターのシンと、歌は悪くないのに声が小さいストリート・ミュージシャンによるハイテンション・ロック・コメディ。作中のライブシーンなどで使われる全7曲は、本作のために書き下ろされたオリジナル曲です。このうち、主題歌になっている「人類滅亡の歓び」を作曲したのが、L'Arc~en~Cielのボーカルとしても活躍するHYDE(※ソロ名義では大文字)です。

HYDEはこれまでもミュージシャンとして映画に関わるほか、俳優としての出演もあります。そこで今回は、これまでのHYDEと映画の関係を振り返ってみたいと思います。

HYDEが作った“悪魔的な曲”とは?

『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』の三木聡監督に筆者が伺った話では、今回のHYDEへのオファーは、撮影開始の半年前に監督が直々に行ったそうです。このとき監督は「悪魔的な曲を作ってもらいたい」と伝えたところ、これにHYDEは戸惑ったようで、当初は「なんですか、それ」といった反応だったそうです。

その後、監督は「こんな感じの曲で……」といくつか例を挙げたそうですが、HYDEを相手に他アーティストの曲を例に挙げるのが失礼ではないかと、内心では思っていたとのこと。しかし、HYDEはそこから着想を得たようで、「そのテンションを曲にどれくらい落とし込みますか?」などとすぐさま質問を返したそうです。

「人類滅亡の歓び」について、HYDEは「監督のイメージを具現化していったら、恐ろしい曲になりました」とコメントを寄せています。“絶叫する堕天使”の異名をもち、悪魔のような白塗り姿で登場するシンが歌うには、これ以上ないハードロックに仕上がった同曲。一度聴けばサビの部分をすぐに口ずさめそうなキャッチーさと、美しいメロディーは、まさにHYDEならではといえるでしょう。

撮影前だったため、具体的な映像イメージが固まっていない中で制作が始まった同曲。脚本を読み解くことで得たイメージを楽曲で表現するHYDEの感性の凄さを、監督はこの映画で感じたようです。

吸血鬼役や幽霊役で映画にも出演

HYDEと公私ともに仲がよいGACKTが、原案を手掛けた映画が『MOON CHILD』(2003年)。この作品にHYDEは、吸血鬼のケイ役で出演しています。

物語はGACKT演じる少年ショウと、日本人の移民で溢れる都市マレッパを牛耳るマフィアとの抗争を描いたもの。ケイはショウを見守る友人というポジションです。ショウが組織と戦う決意を固めたとき、それを最初に伝えたのがケイでした。この時、降り続ける雨を見ながら、ケイはある歌を口ずさみます。

この時に歌われた「オレンジの太陽」は、HYDEとGACKTによる共作。青春時代への別れとも、この世界との別れとも受け取れる切ないナンバーです。日の当たる場所には出られない吸血鬼が太陽を思い返す、そんな歌詞が印象的でした。ケイとショウがそろって口ずさむシーンでは、美形2人の放つ耽美な雰囲気が、さらに歌の印象を美しいものにしています。

その後、作中ではマフィアとの銃撃戦が繰り広げられ、これにケイも参加します。吸血鬼なので撃たれても死にませんが、「当たると痛いから」と言う姿が少年のように愛らしい。その一方で、生きるために血をすすり、口を真っ赤に染める姿は、HYDEの美貌と相まって壮絶な美しさがあります。

翌年にHYDEは再び映画に出演しました。『下弦の月 ラスト・クォーター』(2004年)でHYDEが演じたのは、幽霊となったロックミュージシャンのアダム。HYDEの美貌とロックスターならではの非現実的な存在感が、この世ならざらぬ者という役柄にマッチしています。

作中では女子大生の美月が、洋館から聴こえてきたギターの音色に引き寄せられてアダムと出会います。美月はアダムの恋人の生まれ変わりという設定で、2人のラブロマンスが展開されるのが、ファンにとってはたまらないものでした。

このときに奏でた曲は、かつてアダムがロンドンでバンド活動をしていた時に作ったという曲。作中ではそのミュージックビデオが流れますが、イギリスの景勝地セブン・シスターズの海をのぞむ絶壁の際に立ち、失った愛への悲しみを歌うシーンは、本作における最大の見どころの一つです。

「バクマン。」では声優にも初挑戦

HYDEはこれまで様々な映画に曲を提供しています。『NANA』(2005年)では、主演の中島美嘉が歌った「GLAMOROUS SKY」の作曲を手掛け、他のアーティストへの初めての楽曲提供として大きな話題となりました。

また、アニメ「バクマン。」でも、ボーカルをつとめるVAMPSの曲が、物語の登場人物KOOGYのキャラクターソングとして使われました。KOOGYはトップミュージシャンかつ漫画家というキャラクターで、作中では声優の森久保祥太郎が、「GET UP-Japanese Ver.-」と「EUPHORIA-Japanese Ver.-」の2曲を歌っています。

なお、「バクマン。」には、KOOGY の音楽プロデューサーとして、HYDEそっくりの同名キャラが登場しますが、この声優をHYDE自らが担当しました。収録後の共同記者会見では、「自然にやってって言われたんですけど、自然に出来ませんでしたね」とコメント。ライブでは何万人ものファンを前にパフォーマンスを見せるHYDEも、初挑戦の声優には緊張した模様です。ただ、記者の質問に対して、「プロデューサー」など普段言い慣れている言葉も意外と舌を噛んでしまったと苦笑いする姿はまさに自然体で、ライブのイメージとはギャップのあるチャーミングさがありました。

『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』/10月12日(金)全国ロードショー/(c)2018「音量を上げろタコ!」製作委員会/配給・制作:アスミック・エース

『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』では、冒頭のシンのライブシーンで、「人類滅亡の歓び」が歌われます。監督がリクエストした“悪魔的”なテイストを、HYDEがどのように曲に取り入れたのか。ぜひ劇場で確かめてみてください。

(文/デッキー@H14)

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