2018/08/31 17:00

結婚目前で、忘れがたい「元カレ」が現れたら…?

(C)2018「寝ても覚めても」製作委員会/COMME DES CINEMAS

今年のカンヌ国際映画祭のコンペティション部門に、『万引き家族』とともに正式出品されて話題を集めた『寝ても覚めても』(9月1日より公開)。本作では、主演を務める東出昌大が初めて一人二役に挑戦し、自由奔放な元カレの麦と、包容力のある今カレの亮平を熱演。「元カレと今カレの顔が全く同じで、しかもイケメンだったら?」という究極の選択を迫られるのだ。

人が恋に落ちるきっかけは顔?それとも中身?

物語の主人公は、都内の喫茶店で働く朝子(唐田えりか)。コーヒーを届けに行った先で亮平(東出昌大)と出会い、驚いて思わず声をかけてしまう。

朝子が驚くのも無理はない。亮平は、2年前突如目の前から姿を消した、最愛の元カレ・麦(東出・一人二役)と顔がそっくりだったのだ。その後、朝子と亮平は付き合うのだが、「顔で選んだ」と誤解されるのを恐れた朝子は、亮平に「元カレである麦と顔が似ている」ことをなかなか言い出せない。

「元カレに似ているから好きになったんじゃない。好きになった人がたまたま元カレに似ていただけ」

そして時は流れ、亮平との結婚を目前に控えた朝子の前に、人気モデルとなった麦が再び現れる……。

(C)2018「寝ても覚めても」製作委員会/COMME DES CINEMAS

「元カレ」問題を描いた名作たち

元カレと今カレの間で揺れ動く女性の心情を描いた作品といえば、かつて大ヒットを記録しシリーズ化もされた『ブリジット・ジョーンズの日記』(2001年)を真っ先に思い浮かべる人も多いはず。

女癖の悪い元上司のダニエル・クリーヴァー(ヒュー・グラント)と、誠実な弁護士のマーク・ダーシー(コリン・ファース)の間を行ったり来たりする、等身大の独身女性ブリジット・ジョーンズ(レネー・ゼルウィガー)の恋愛模様が、自虐たっぷりかつコミカルに綴られる。

それほどイケてるわけではないブリジットが、ダニエルとマークというタイプの異なるイケメンを翻弄するという面白さと、最終的にはどちらと結ばれるのか……? という恋のさや当て的な楽しみが、世界中の女性から圧倒的な支持を集めた所以だろう。

一方、リアルな女性の心情を露呈した日本の恋愛映画と言えば、近作では臼田あさみ主演で冨永昌敬監督が実写化した『南瓜とマヨネーズ』(2017年)を挙げたい。

典型的な“だめんず”の元カレ・ハギオ(オダギリジョー)との再会がきっかけで、主人公のツチダ(臼田あさみ)と同棲中の今カレ・せいいち(太賀)との間の溝がどんどん広がっていく様が、赤裸々に映し出される。

この作品に一番の説得力をもたらしていたのは、なんといってもオダギリジョーの存在だ。「元カレがオダジョーなら、忘れられないのも無理はない」と、誰もが納得せざるを得ないほどの魅力が、スクリーンからダダ漏れだった。

元カレに惹かれる理由は?

いずれの作品にも共通しているのが、元カレが「イケメンだけど、自由人でつかみどころかない」ということ。『寝ても覚めても』もそうだが、今カレに全く問題がないとは言わないけれど、「当てにならない元カレとの復縁を期待するよりは、今カレとの関係をちゃんと構築するべきでは?」と、まっとうな人ならきっと誰もがアドバイスしたくなるに違いない。

しかし、完璧な「カレ」を追い求めるからなのか、無い物ねだりなのか、「元カレ」問題の結論は多種多様。正直「東出昌大と付き合えるなら、どっちでもいいじゃん!」と言いたくもなるのだが、東出が“ワイルド系の麦“と“誠実な亮平”という全く違うタイプを完璧に演じ分けているので、映画を観た後「麦と亮平とどちらがタイプ?」と、不毛な妄想に耽ってしまいそうだ。

しかも、tofubeatsが手掛けた切なすぎる主題歌「RIVER」が、登場人物たちの振る舞いによってさんざんかき乱された心に、さらに揺さぶりをかけてくるからたまらない。

(C)2018「寝ても覚めても」製作委員会/COMME DES CINEMAS

どちらを選んだ方が幸せになれるかは言わずもがなだが、一筋縄ではいかないのが恋愛のままならなさ。とはいえ「元カレ・元カノ」の存在からは逃れられないかもしれない。たとえ元カレを選んだとしても、今度は今カレが「元カレ」になるからだ。

(文/渡邊玲子@アドバンスワークス)

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