2018/09/19 08:00

体を鍛えると自信がつく 『パパはわるものチャンピオン』棚橋弘至インタビュー

映画『パパはわるものチャンピオン』は9月21日より全国公開

 新日本プロレスのエースとして人気を集めている棚橋弘至が、同名絵本を映画化した『パパはわるものチャンピオン』で映画初主演を果たした。パパが悪役レスラーだったことを知ってショックを受ける息子と、父親の絆を描いた本作で、かつてエースだったがケガで苦しみ、今は悪役レスラーとして戦う主人公・大村孝志を演じた棚橋が、作品への思いや父親として自身の子育てエピソードを語った。

トレードマークの金髪ロン毛をバッサリ!

Q:この映画の企画を聞いたときの印象は?

新日本プロレスの試合の質やプロモーションのやり方が良くなって、みなさんに伝った延長線上にある映画だと思うんです。決して、突然この映画ができたわけでは受け入れていただけないと思いますし、映画からまた先につながっていくことへの期待を自分でも感じています。脚本をいただいたときにすごく面白くて、自分の演技がストーリーを邪魔するようなことがあっちゃいけないと思ったんです。演技経験も少なく、答えが全く見えないながらも全力で演じました。

Q:10年前のご自身は、こうして主役を演じることを想像していらっしゃいましたか?

全く予想していなかったです。プロレスラーとして成功するイメージや、東京ドームを満員にするというイメージは持っていました。でも、プロレスラーとして映画に主演することは想像もできませんでした。

Q:トレードマークの長髪をバッサリと切っていましたが、かっこよかったです。

僕が演じた大村は、プロレスではヒールだけど、家ではいいお父さんなんです。いいお父さんに、金髪ロン毛はちょっと違うかなと思って(笑)。でも髪を切った時は、外国人のファンから悲鳴が相次いだんです。Twitterでも「棚橋、頼むからやめてくれ」とか「Why ! Why ! Why !」って狂気じみたリプライがきたりして(笑)。

Q:完成した作品を観て、棚橋さんはどんなところに惹かれましたか?

主人公と息子との関係って、例えば、他者との関わり合いの中でも理解してもらえない状況とかあると思うんですけど、この映画には、そういう「理解してもらえない」関係がたくさん出てくるんです。祥太と友達だったり、大村(ゴキブリマスク)とタッグパートナーのギンバエマスクだったり。そして、相手に自分を理解してもらえた時ってすごくうれしいんです。プロレスもそうなんですが、フィニッシュだけ見せられても面白くない。でも、この映画ではお互いが理解するまでの過程をきちんと丁寧に描いていて、そのプロセスがすごく好きなんです。

1日16時間プロレスしっぱなしでヘロヘロ

Q:この映画は棚橋さんを中心に新日本プロレスの選手も総出演していますが、仲間の演技はいかがでしたか?

オカダ・カズチカはそのままでしたが(笑)。田口隆祐は器用なやつだと、もともと思っていましたけど、本当に演技が上手くてすごいと思いました。木村佳乃さんが、「彼はどこの劇団の方ですか?」ってスタッフさんに聞いたらしくて。あの大女優に「俳優に向いていますよ!」と言わしめた田口! 悔しいくらいです。

Q:映画の撮影で試合をするというのは、なかなか難しそうですね? 

ムッチャクチャ難しい! しかも撮影スケジュールが3週間でギッチギチだったので、朝6時に集合して、朝7時から夜の10時、11時までずっと試合シーンの撮影をするんです。やはり本物の迫力は大切だと思うし、この映画を観てそれをきっかけにプロレスに興味を持っていただけたらとも思っていたので、撮影といえど全力で試合をしました。でも朝の7時半に必殺技レインメーカー(オカダ・カズチカの技)をくらったことがないから。体が起きていないんですよ(笑)。

Q:じゃあ映画の中のように、本当にダメージを受けたのでは?

くらっていましたね。その時、僕が本当に動けなくなっちゃって、リングの上に倒れていたら、息子役の寺田心くんが本気で心配して「お父さん、大丈夫?」って駆け寄ってきてくれちゃって。いい子だなあって思いながらも、「全然大丈夫じゃないよ」って言いました(笑)。

ベスト・ファーザー棚橋流の子育ての極意

Q:棚橋さんご自身2人のお子さんを持つお父さんですが、この映画ではどのくらいご自身の父親要素が反映されているのでしょうか?

ぶっちゃけて言うと、けっこうまんま、パパ・棚橋でした。これは監督さんのご配慮なのかなという気もしましたが、役にすっと入っていけるように、自分の普段の性格にとても近いセリフを書いてくださったんじゃないかと思っています。例えば、昔エースだったりしたことや、ケガで苦しんでいたという過去は、感情移入がすごくしやすい共通項でした。

Q:この映画は父と子の関係を描いた人間ドラマでもあります。ベスト・ファーザー賞受賞者でもある棚橋さんは、お子さんとの関係をどのように築いているのですか?

僕はよっぽどのことがないと子どもを怒らないんです。基本的にはママが怒って、僕がケアするというアメとムチの関係です。でもその中の決め事としては、絶対にママを否定しないということ。親の意見が分かれると子どもが混乱するので。子どもがママに怒られた時は、「ママはこういう理由で怒ったんじゃないかな?」って、子ども達のフォローをしながら話をするようにしています。

Q:さすが、ベスト・ファーザー賞です!

プロレスラーって怖いイメージがあるので、ベスト・ファーザーと一番遠いところにあるんですよね。でも、僕がこのベスト・ファーザー賞を取れば、家庭的で優しいっていうポジティブなイメージをみなさんに持ってもらえる。「プロレスラー」をもう一個上の段階にあげられるって思ったんです。だから、プロレス業界における棚橋の功績は非常に大きいんです(笑)!

Q:強くて優しくてかっこいいお父さん(笑)。今は草食男子が人気の時代ですが、棚橋さんが考える強い男の魅力は?

棚橋調べでは、女子に筋肉を見せると「触らせてー」という答えが100%で、みんなつい触りたくなる衝動にかられるようです。男に生まれたからには、女の子を守れるように、鍛えて強くなってほしいなって思います。体を鍛えることのいいところって、ただマッチョになれるということではなく、努力した分だけ体が変わるし、姿勢が良くなるし、自分に自信がつく。さらに女性の反応もいいので一石五鳥くらいあるんです。そんな筋トレの仕方が分からない方は、僕が出している筋トレ本「逸材BODYのつくりかた」を読んでくださいね(笑)!

Q:この映画はどんな方に観てもらいたいですか?

プロレスラーの僕が主演していますが、これはプロレス映画というジャンルではくくれないと思っています。ドラマシーンと試合のシーンが、すごく絶妙なバランスで交ざっているんです。ドラマシーンがあるからこそ、プロレスのシーンでセリフがなくても答えが見えてくるし、お互いが補完しあっていると思います。プロレスファンにも、プロレスを全く観たことがない方にもきっと楽しんでいただける作品です!

取材・文: 森田真帆 写真:日吉永遠

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