2018/12/26 06:30

ヴィヴィアン・ウエストウッドのエレガンスは何故「最強」なのか

『ヴィヴィアン・ウエストウッド 最強のエレガンス』/12/28(金)より 角川シネマ有楽町、新宿バルト9ほか全国ロードショー/配給:KADOKAWA/(c) Dogwoof
12月28日(金)から公開される『ヴィヴィアン・ウエストウッド 最強のエレガンス』は、イギリスで初めて“デイム”の称号を与えられたファッションデザイナー、ヴィヴィアン・ウエストウッドの素顔を描くドキュメンタリー映画です。
 
ヴィヴィアン・ウエストウッドといえば、ファッションデザイナーとして人気なだけでなく、イギリスのパンクムーブメントを支えた人物。作中ではこれまでに残してきた数々の名言などを通して、ブランドの誕生秘話にはじまり、デザイナー、母親、妻、活動家としての彼女の素顔が描かれます。今回は、彼女の伝説的なエピソードを振り返ってみたいと思います。
 

デイムを授与されても変わらぬキャラクター

ヴィヴィアン・ウエストウッドは伝説的なパンクグループのセックス・ピストルズを、彼らのマネージャーであるマルコム・マクラーレンとともにサポートしたことで知られています。そのため、反体制的でアナーキーな人物という印象もありました。
 
ところが、イギリス王室から“ナイト”の女性版にあたる称号の“デイム”を授与されたことで、彼女が反体制側から体制側の人間になったかのように考えた人もいたことでしょう。しかし、彼女はイギリスの新聞『The Gurdian』のインタビューで、「何事にも服従しないために戦っている」と答えるなど、未だ反骨精神が旺盛です。
 
“デイム”の称号を受け取ったことは、「世間が納得するような爵位を取得したことが、自分のやっていることを広く世間に真剣に受け取ってもらうきっかけになれば」と思ってのこととか。未だその言葉の端々からは、若い頃と変わらないパンクスピリッツを感じさせます。
 

70歳を超えてヌードを写真集で披露

『ヴィヴィアン・ウエストウッド 最強のエレガンス』(c) Dogwoof

 1992年にヴィヴィアン・ウエストウッドは、イギリスの勲章OBE(大英帝国勲章)を受勲します。このとき、彼女は記者たちの前で突然スカートをめくって見せました。以前から彼女は「ドレスを着る時は下着を履かない」と話しており、それを証明してみせたのです。
 
さらに、昨年発売された写真集『VIVIENNE WESTWOOD, ANDREAS KRONTHALER, JUERGEN TELLER by Juergen Teller』の表紙では、70歳を過ぎた彼女がヌード姿で表紙を飾っています。老いてなお大胆であり、反逆性とエレガンスさを備えた彼女のデザインそのままの行動が、世界中で話題になりました。
 
自分の美学にのっとった大胆不敵な行動をとり続ける彼女ですが、その素顔は意外にも純朴です。
 
大企業の傘下に入ることなく、77歳にして世界数十カ国に100店舗以上を展開するブランドのトップだけあって、その資産は5,000万ポンド(約72億円/1ポンド145円換算)(※)。それにも関わらず、彼女はサウスロンドンの小さな家に住み、一般人と同じように近所を自転車で走るなど、庶民的な姿がたびたび目撃されています。ちなみに、『The Gurdian』のインタビューによると、1番好きな食べ物はレタスなのだとか。
 
パワフルな人物像からはかけ離れているように思えますが、そういった素朴なパーソナリティーも、彼女が人気を集める理由のひとつになっています。
 
また、近年では環境保護にも熱心なことで知られており、自ら環境保護団体の「Climate Revolution」を設立。日本でも見かける化粧品・バス用品メーカー『LUSH』などとコラボし、収益を環境保護団体に寄付しています。
 

黒柳徹子や二階堂ふみがリスペクト


『ヴィヴィアン・ウエストウッド 最強のエレガンス』(c) Dogwoof

ファッションブランド「ヴィヴィアン・ウエストウッド」は、日本でも高い人気を誇っています。
 
矢沢あいの人気コミック『NANA』では、ブランドを代表するラブジャケット、アーマーリングを主人公が着用。のちに実写映画化された時には、主人公を演じた中島美嘉が着用し、そのなりきりぶりとともに話題になりました。
 
また、プライベートでのブランド愛用者としては、私服のセンスが良いとネット上でも話題の二階堂ふみが有名です。2016年5月に出演したテレビ番組「しゃべくり007」でも、ラブジャケットを着用して出演しています。また、栗原類と黒柳徹子は、どちらも「ヴィヴィアン・ウエストウッド」の洋服を着用し、2014年2月に「徹子の部屋」でブランドに関するトークを行なっています。
 
最近ではインスタグラマーとしても人気を博している黒柳。今年4月には1970年代にヴィヴィアンとマルコムが経営していた店「セディショナリーズ」で販売されていた、通称「おっぱいTシャツ」を着用したかつての自分の写真をアップし、そのスタイリッシュな姿がネット上で大きな話題になりました。ちなみにそのTシャツはニューヨークのメトロポリタン美術館に収蔵されるなど、文化的に価値があるものと認められています。
 
ちなみにこれは俗説ですが、「セディショナリーズ」の服を初めて日本に持ち込んだといわれているのが、1970~80年代の日本のサブカルシーンの中核を担った、元祖テクノポップバンド「プラスチックス」。このことからも、ウエストウッドは長きに渡り、日本のエンタメ・サブカルシーンに影響を与えてきた存在だといえるでしょう。
 

自分の会社の状態は「危機信号よ」!?

 

『ヴィヴィアン・ウエストウッド 最強のエレガンス』(c) Dogwoof

『ヴィヴィアン・ウエストウッド 最強のエレガンス』でヴィヴィアン・ウエストウッドは、「過去の話は退屈だわ」となんとも彼女らしい台詞を言い放ったうえで、自らの生涯について語りだします。
 
10代の頃の話、最初の結婚と出産、マルコムとの出会い、パンクムーブメント、成功後に失敗して無一文から再出発したという衝撃の事実など……。貴重なアーカイヴ映像とともに語られるのは、人生を謳歌するためのヒントが詰まった名言の数々。ドラマチックすぎる人生を送ってきた彼女の姿から、目が離せなくなります。
 
また、作中には彼女をリスペクトする女優のパメラ・アンダーソン、スーパーモデルのケイト・モス、ナオミ・キャンベルなど、そうそうたるメンバーが出演しています。
 
ヴィヴィアン・ウエストウッドは映画業界とつながりが深いことでも知られており、これまでアカデミー賞の授賞式では、メリル・ストリープ、ヘレン・ミレン、ティルダ・スウィントン、ヘレナ・ボナム・カーターなど、演技だけでなく生き方までがパワフルな有名女優たちが、ブランドのドレスでレッド・カーペットを飾ってきました。英国カルチャーの女王とよばれる、彼女の威光の凄まじさを改めて思い知らされます。
 
紆余曲折を経ながらも、成功を収めたヴィヴィアン・ウエストウッド。しかし、作中で彼女は自分の会社について、「危機信号よ」と驚くべき言葉を口にします。意味深なこの言葉が気になった人は、ぜひ映画館に足を運んでその真意を確かめてみてはいかがでしょうか。
 
(文/Jun Fukuanga@H14)
 
※…2014年『Management Today』の発表より
 

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