2018/12/16 08:00

女性も必見!『ワンダーウーマン』を120%楽しむポイント

Michael Tran/GettyImages

2017年に公開され、歴史的大ヒットを記録した映画『ワンダーウーマン』。主演に抜擢された女優のガル・ガドットは一躍スターの仲間入りを果たした。

“スーパーヒーロー映画の主人公は男性”という概念を見事に覆し、アメリカではメディアが連日のように歴史的ヒットの理由を分析する社会現象となったが、日本においては、「名前は知っているけれどアメコミはちょっと苦手」と、まだまだ敬遠している人もいるかもしれない。

今回は、『ワンダーウーマン』をこれから観てみようという方のために、おさえておきたいポイントとワンダーウーマンの歴史をご紹介!

DCコミックスのヒーロー、ワンダーウーマン

まず知っておいて欲しいのは、『ワンダーウーマン』の主人公・ワンダーウーマンは、DCコミックスのヒーローであるということだ。

アメリカには2大コミックブランド「マーベルコミックス」と「DCコミックス」があり、現在ハリウッドでは同コミックスに登場するヒーローたちの活躍を描いた作品が次々と実写化されている。

アメコミをあまり良く知らなくても『アベンジャーズ』シリーズを耳にしたことがある人は少なくないだろう。「アベンジャーズ」は、本来別々の作品であるマーベルコミックスのヒーローたちが、集結して強大な敵に立ち向かう、ドリームチームの名前。マーベル・フィルムズはコミックスの実写化において「マーベル・シネマティック・ユニバース」の名で、別々の作品に登場するヒーローたちを同一世界の中に存在するプロジェクトをスタートさせた。別々の作品のヒーローが同じ作品に登場するなど、このプロジェクトはファンたちを魅了した。

Barry King/GettyImages

DCコミックスのヒーローたちも、同様にドリームチーム『ジャスティス・リーグ』がある。中心メンバーとしては日本でもお馴染みのスーパーマン、バットマン、そして今回紹介するワンダーウーマンらがいる。原作のコミックスは1960年からスタートしているため、実にドリームチームとしては老舗だ。

DCコミックスでは、その前にも1940年に『ジャスティス・ソサエティ・オブ・アメリカ』というアメコミとしては初のスーパーヒーローチームを描いた作品がある。実写映画化では「マーベル・シネマティック・ユニバース」が先に成功を収めているが、チームを組ませるという点においては、DCコミックスのチームもお家芸なのだ。

「マーベル・シネマティック・ユニバース」に対し、DCフィルムズは、『スーパーマン』のリブート作品『マン・オブ・スティール』(2013年)を皮切りに、「DCエクステンデッド・ユニバース」というDCコミックヒーローたちの戦いを描いた実写化プロジェクトを開始する。そして前述した『ジャスティス・リーグ』も映画として2017年に実写映画として公開された。

『ワンダーウーマン』実写化の歴史

『ワンダーウーマン』の歴史は古く、初めてコミックに掲載されたのは、第二次世界大戦中の1941年。『スーパーマン』や『バットマン』が人気を博していたころ、男性のスーパーヒーロー作品が独占する中、世界初の女性スーパーヒーローとして誕生した。

高い戦闘能力と人間離れした身体能力に加え、女性ならではの優しさと愛を持ったヒーロー像は強い女性のアイコンとして広く認知され、スーパーマンやバットマンと並ぶ人気を誇っている。

本格的な映像化が始まったのは1970年代。DCヒーローたちと共に登場した『Super Friends』(1973年)というアニメーションを経て、1974年に初めて単発実写テレビドラマが作られた(日本未放映)。そして1975年にリンダ・カーター主演で実写テレビシリーズが作られ大ヒット。このドラマは日本でも放送されたため、実写のワンダーウーマンといえば、リンダ・カーターをイメージする人も少なくない。

スーパーマンやバットマンと違い、ワンダーウーマンの実写映画化は長い間実現しなかったが、DCコミックスの2大ヒーローが共演した『バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生』(2016年)で、ようやくワンダーウーマンが登場することとなる。

新生ワンダーウーマン、ガル・ガドット

新生ワンダーウーマンを演じたイスラエル出身のガル・ガドットは、美貌に加えて178cmの高身長ということもあり、10代の頃からモデルのオファーが殺到。ミス・イスラエルに輝いた後、イスラエルには男女ともに兵役があるため、国防軍に入隊し、戦闘トレーナーとして2年間従事したという異色の経歴を持っている。

Victor Chavez/GettyImages

退役後は母国のTVドラマで女優デビュー。2009年には『ワイルド・スピード MAX』のジゼル役に抜擢され、映画デビューを果たした。しかし、それ以降目立った役に恵まれず、オーディションにも落ち続けた彼女は、女優の道を諦めようとしていたという。そんな中、作品の名前も知らされずに受けたオーディションが『バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生』で、ガルは見事にワンダーウーマンの役を手にしたのだ。

待ちに待ったDCユニバース最強女戦士の映画デビュー

DCエクステンデッド・ユニバースの1作目で大ヒットした『マン・オブ・スティール』。スーパーマン(ヘンリー・カヴィル)は、地球のためにゾッド将軍(マイケル・シャノン)との戦いを制するが、超人同士の争いは街を破壊し、人間社会に大きな犠牲をもたらした。そして、DCエクステンデッド・ユニバースの2作目にあたる『バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生』では、そんな人間以上の存在であるスーパーマンをバットマン(ベン・アフレック)は抹殺しようと試みるが、同じころ悪の天才科学者によって怪物が生み出され、2人は協力して巨悪に立ち向かうことになる。

ガル演じるワンダーウーマンが初登場したのは『バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生』の後半、バットマン最大の危機のなかで訪れる。怪物の放つ熱光線がバットマンを襲い、もうだめだと思ったその瞬間、ド派手なテーマ曲とともに颯爽とワンダーウーマンが現れ、その攻撃を正面から受け止めてみせたのだ。

ここまでの2大ヒーローの活躍がかすむほどの、あまりに衝撃的でカッコいい登場にファンは騒然。その後公開される単独シリーズへの期待は自然と高まった。同作では、ワンダーウーマンがバットマンと共に超人の仲間たちを集めて、世界の危機に備える決意をするまでが描かれた。

新生ワンダーウーマンの単独シリーズが始動

そして、待望の単独シリーズ1作目として公開されたのが、2017年公開の『ワンダーウーマン』である。

『バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生』において、彼女は人類のために力を発揮したわけだが、本作ではそこに至る前の、未熟で無知な少女ダイアナの物語から始まる。

(あらすじ)
外の世界から隔てられたセミッシラ島では、女性だけの戦闘民族であるアマゾン族が暮らし、戦士たちは外界からの攻撃に備えて訓練する日々を送っていた。好奇心旺盛な王女ダイアナは訓練を経て、いつしか部族で一番の戦闘力を身につけていたが、そんなある日、パイロットのスティーブ(クリス・パイン)が乗った戦闘機が偶然島に墜落。ダイアナはスティーブを救出するが、彼から外の世界で戦争が起きていると聞かされた彼女は、自身の力で世界を救いたいと強く願い、ロンドンへと向かうのだった。

初めて女性監督によって描かれたアメコミヒーロー

監督を務めたのは、長編デビュー作『モンスター』(2003年)で、シャーリーズ・セロンにオスカーをもたらしたパティ・ジェンキンス。本作で初の女性アメコミ実写映画監督となった彼女は、女性監督映画歴代1位の興行収入の記録も打ち立てた。

本作が、「ほかのアメコミ映画とは明らかにテイストが違う」と感じるのは、女性の目線から作られた影響もあるかもしれない。『バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生』の彼女は経験を積んだ大人の女性という印象だったが、本作の彼女はどこまでも純粋。

初めて人間社会に出ていくダイアナは、数百の言語を操れるのに、時計が何であるかも知らない。知識として男性を知っているが、会うのも話すのも初めて。そんな世間とのズレは笑いどころでもあるのだが、そのズレこそが本作の大きなテーマになっている。

純粋なダイアナは、人類は操られて戦争をしているだけで、主導者を殺せば争いがなくなり、世界が平和になると本気で信じている。そんな彼女の幻想は現実の戦争を前に打ち砕かれ、自分の無力さを痛感し、人類に救う価値を見出せなくなっていく。

Barry King/GettyImages

男性好みの重厚なストーリーになりがちなDCユニバース作品だが、本作は親しみやすいストーリーで展開される。しかし、アメコミ映画らしくアクションはド派手に、そして美しく決める。そんなバランス感覚は、女性であるジェンキンス監督ならではの手腕だろう。

そして忘れてはいけないのが、文句なしに美しいガル・ガドットの熱演だ。本作では好奇心に満ちた少女のような表情から一転、勇ましい目つきへと変わるという振り幅のある演技を披露。『ワイルド・スピード』シリーズでは華奢なモデルという印象だったが、トレーニングを重ねしっかりと体を作り、たくましい肉体を披露している。軍隊経験という異色の経歴は撮影にも役立ったようで、美しく勇ましい姿はまさにワンダーウーマンそのものだ。

これからの『ワンダーウーマン』

続編『ワンダーウーマン 1984』は2020年に公開予定。舞台は1984年へと移る。人類の光と闇を垣間見た彼女が、東西冷戦を背景にどんな形で再び人類と関わっていくのか。成長したダイアナの姿が見られるはずだ。

単独シリーズはワンダーウーマンの過去を振り返る物語が描かれているが、未来のワンダーウーマンはすでに動き出している。DCヒーローたちとチームを結成して戦う『ジャスティス・リーグ』(2018年)では、大車輪の大活躍を見せている。しかし、まずは単独シリーズ1作目の『ワンダーウーマン』をご覧いただきたい。ドコモの動画配信サイト「dTV」のほか、Netflixなどでも観ることができる。

Neilson Barnard/GettyImages

本作は数あるアメコミヒーロー映画の一つだが、希望をもって上京した女性が、挫折を乗り越え成長していくストーリーと言い換えることも出来る。アメコミが苦手という方にこそ、ぜひ観て欲しい。映画の最後に彼女がたどり着く決意は、きっと男性よりも女性のほうがグッとくるはずだ。

文=SS-Innovation.LLC



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