2018/12/15 08:00

アリーの物語に「レディー・ガガ」の人生が重なる理由

(C)2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

歌手を夢見る主人公アリーが、スターダムを駆け上っていく姿を描く『アリー/ スター誕生』(12月21日より公開)。そのアリー役を、世界的なポップ・アーティスト、レディー・ガガが演じる。全編にわたって、ガガのアーティスティックな底力や振れ幅に圧巻されてしまう作品だ。

 共通点の多いガガとアリー

アリーは、音楽業界でスターになることを夢見ながらも、自信がなく、昼はウェイトレスとして働き、夜は小さなバーで歌う日々を送っていた。そんなある日、ロック・スターのジャックがバーに立ち寄り、アリーの歌う姿に魅了され、二人は惹かれ合うように。その後アリーはジャックのライヴに招されたことで、諦めかけていた夢の扉が一気に開くことになる。 

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アリーを演じるレディー・ガガは2008年、アルバム『ザ・フェイム』でデビュー。ダンサブルなエレクトロ・ポップ・サウンドで同作は、世界で1,500万枚以上の売り上げを記録し、一躍トップ・アーティストとなった。加えて、エネルギッシュに情感が息づくパフォーマンスや、奇抜なファションでも常に注目の的となっている。

そんなガガだが、無名時代はクラブでダンサーをしながら生計を立てていた。最初はソングライターとして見出され、多数のグラミー賞ノミネート経験を持つアーティスト、エイコンの後押しでデビュー。そういった意味では、ガガの経歴にはアリーの物語と重なる部分が多い。

今回で3度目の映画リメイクとなる2018年度版『スタア誕生』は、レディー・ガガだからこそ成立したといっても過言ではない。

ジャックとの迫力のライヴ・シーンは必見

ガガのトップ・アーティストとしての力量は、ジャックとアリーが出会うバー・シーンから遺憾なく発揮されている。アリーはキャバレー・スタイルで朗々とスタンダード曲「ばら色の人生」を歌い上げ、テーブルに寝そべって脚をバタつかせてジャックに迫り、場末のバーを小粋なショー・ラウンジへと変えていく。

そして同じ夜、自作の歌をアカペラでジャックに聴かせる場面では、飾らない凛々しさのある歌声が印象的だ。アリーは、少なからずロック・スターとしての虚像と実際の自分との間にギャップを抱えるジャックの心を知るかのように、「話を聞かせてよ。心の穴を必死に埋めてきたのね」と優しく語りかける。

ジャックに招待されたライヴで、アリーが急遽歌うことになる場面も圧巻だ。もちろん最初はいきなりの大舞台に戸惑い、おっかなびっくりといった様子を見せる。だが、曲が進むうちに自らの歌声を聴いてもらえる喜びとともに、表情も内から湧き上がる自信がたぎる。

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さらに敏腕プロデューサーに見出され、ソロ・アーティストとしてスターダムにのし上がっていくアリーの姿は、まさに本物のガガそのもの。アリーは、エレクトロ・ポップ・サウンドに乗せてバックダンサーを従え激しく歌い踊り、時にそのパフォーマンスは世界に向けて何かをアジテーションするようにも映る。

もちろん現在の音楽シーンには、さまざまなトップ・アーティストがいる。とはいえ、アリーとの共通点に加え、アーティストとしての素養や振れ幅といった部分で物語の主人公を演じられるのは、やはりガガしかいないだろう。

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監督との会話がストーリーの方向性に大きな影響を

物語が進むにつれ、アリーはTシャツにジーンズといった垢抜けない姿から、高価なドレスを身にまとうセレブへ変貌していく。

ガガ自身も周りの環境が激変し、ビジネス規模が大きくなっていったことについて「そうなってくると、私はもうピアノの前には座らないと言ったんです。(中略)でも、私の本質は、駆け出しのころ、自分とピアノだけだったときの私です」と話している。

ガガは本作が映画初出演で、ジャックを演じるブラッドリー・クーパーも今作が監督デビュー作となる。制作を担当したビル・ガーバーが、映画のビジョンは主に二人の会話から生まれたと語っている。そういった部分でもアリーにガガが重なるのは当然なのかもしれない。

レディー・ガガの才人ぶりを再認識せざるをえない『アリー/ スター誕生』。加えて、アリーの人気に伴うジャックとの関係性の変化など、人生の機微についてもいろいろ考えさせられる含蓄のある作品だ。

(文/兒玉常利@アドバンスワークス)



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