2018/12/14 08:00

【インタビュー】女優・藤野涼子がオーストラリアを選んだ理由

『ソロモンの偽証』(2015年)で主演デビューし、藤野涼子という役名をそのまま芸名にして、『クリーピー 偽りの隣人』(2016年)、連続テレビ小説「ひよっこ」など話題作に出演した。でも最近はその活動状況をあまり聞かない。何をしているのか? 実は今年3月の高校卒業を機に、オーストラリアで演技修行をしていた。

英語で演技をしてみたいという気持ち

「高校2年生の春までは日本の大学に進学しようと考えていました。でも英語で演技をしてみたいという気持ちがそれに勝って、本格的に演技の道に進もうと思いました」と現在の状況に至った理由を明かす。目指すは国際派女優。仕事が休みの期間はオーストラリアに渡航し、英語の勉強と演技レッスンに精を出す日々だ。

海外で演技の勉強というと、真っ先にニューヨークが思い浮かぶが「様々なワークショップを探す中で、演技の引き出し方に魅力を感じたのが、今通っているワークショップでした。日本で受けたことのあるワークショップの多くは舞台上をイメージした世界の中で、コーチがテーブル越しに教えるような形でしたが、オーストラリアで通っているワークショップは先生が役者の目の前に来てアドバイスをしてくださり、フィジカルなテリトリーに入ってくるのです」と納得の場所で刺激を受けている。

ちなみに海外修行を決意した段階では、英語はほとんど喋れなかった。そんな不安を打ち消したのは家族のエール。「不安はありました。けれどそれを打ち消してくれたのは家族。両親に海外行きを伝えたときは反対されるものだと思ったけれど、『本当に自分がやりたいと思う事ならば、やりたい道を全うしなさい』と背中を押してくれました。色々な人の支えがあり今の道を選択できたと改めて実感します」と若き決断の支援に感謝しかない。

最初の2か月はホームシックがひどかった

背中を押してくれたぬくもりをお守りに、異国の地で必死に戦い、腕を磨いている。「英語をまったく喋ることができなかったので、ボディランゲージで気持ちを伝えることから始めました。ワークショップの際にコーチから『英語ができないのは不利だけれど、ボディランゲージで表現するのも演技方法の一つだ』とアドバイスを頂き、言語が通じなくても表現することで伝えることはできると気付けたことは今回の留学の大きな収穫です」と、ちょっとやそっとではへこたれない。

海外のライフスタイルや日本人ゼロのシェアハウス暮らしも慣れてきたが、そこは18歳。「早く英語を覚えなきゃ! と思い、日本語と接しないように意識して生活していたら、日本語がとても恋しくなってしまい…最初の2か月はホームシックがひどかったです」と照れ笑いで「シャワーを浴びながらアース・ウィンド&ファイアーの『セプテンバー』を聴き、洗顔料のいい匂いを嗅ぐ。それが今の癒しの時間です」とあどけない。

時代劇初挑戦は驚きの連続

そんな藤野の姿を久々にスクリーンで観ることができる。12月15日公開の浅田次郎原作の映画『輪違屋糸里~京女たちの幕末~』では、新選組副長・土方歳三に思いを寄せる島原輪違屋の芸妓・糸里を主演している。

自身初の時代劇挑戦も「所作、三味線、鼓、日本舞踊と学ばなければならないこともたくさんあり…。現代劇と時代劇ってこんなに差があるんだ! と驚きました。現代劇とは違う脳みそを使った感覚でした」と新鮮な面持ちで受け止めている。

見どころに挙げるのは、全力疾走シーン。「今まで出演させていただいた作品でもよく走るシーンがありました。今までは人を探したり、逃げたりというような状況でした。しかし、今回は天真爛漫に走ることができて、今までの走りの中でも一番楽しかった。小学校時代に鬼ごっこばかりやっていた経験がいい形で役に立ったのかもしれないです(笑)」と思い出し笑い。

初挑戦のお歯黒にもカルチャーショックで「結構奇妙です。海外の友達もお歯黒に一番ビックリしていました。昔の人はこれが綺麗だと思っていたわけですから、時代によって違う美意識の変化は興味深いです」と貴重な経験ばかりの撮影を振り返る。

オーストラリアと日本を行き来する生活はしばらく続きそうだが「海外で生活を始めたことで、自立できた部分もたくさんあると思います。女優としても人としてもいいレベルアップになっています」と成長を実感する一方で「海外では自己主張が必要で、それをしないとコーチも相手にしてくれない。それが今の私に必要なスキル」と課題も見えてきた。新たな年に向けて残りわずかの1年を「手抜きすることなく、すべてを徹底的に、自分の好きなこともやりつつ、戦っていきたいです」と走りぬく構えだ。

(取材・文/石井隼人)



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