2018/12/30 06:30

平成を彩った「流行語」を“映画”で振り返る

世間の注目が集まった、平成最後の流行語。12月3日の「2018ユーキャン新語・流行語大賞」(「現代用語の基礎知識」選)表彰式では、平昌五輪で銅メダルに輝いたカーリング女子日本代表チームの言葉「そだねー」が年間大賞を受賞した。

芸能界からは、今春テレビ朝日系で放送され、来年夏には映画も公開予定の「おっさんずラブ」がトップテン入りしたほか、ブームとなった『カメラを止めるな』(2018年)から「カメ止め」がノミネート語に選ばれた。本記事では、平成の流行語を「映画」から振り返ってみたい。

平成9年:日本映画史上に残る2作のタイトルが流行語に

平成9年、日本映画史上に残る傑作が2作誕生した。作家・渡辺淳一の同名小説を原作とした『失楽園』と、アニメ作家・宮崎駿が原作・脚本・監督を担当したアニメーション映画『もののけ姫』だ。

50代の妻子ある男・祥一郎(役所広司)と40代手前の人妻・凛子(黒木瞳)のラブロマンスを描いた『失楽園』は、“美しすぎる不倫”としてセンセーションを巻き起こし、不倫することを「失楽園する」と言うように。この年の新語・流行語大賞の年間大賞を受賞した。

そして、惜しくも大賞は逃したがトップテンに選出された『もののけ姫』は、興行収入193億円を記録し、当時の日本映画の歴代興行収入第1位をマーク(興行通信社調べ)。本来“霊”“妖怪”といった意味を持つ「もののけ」を、近代合理主義に相対する存在として描いた本作は、人間と自然の衝突をメインテーマに両者の貴さ美しさを圧倒的スケールで描き、現代に生きる多くの人々の心を打った。

平成16年:「助けてください!」“純愛ストーリー”代表作がランクイン

平成16年には、作家・片山恭一の同名小説を原作とした『世界の中心で、愛をさけぶ』が公開。新語・流行語大賞のトップテンには、タイトルの略語「セカチュー」がランクインした。

主人公・朔太郎と、不治の病に侵されながらも懸命に生きようとする恋人・アキの純愛物語である同作は、小説の帯に採用された「泣きながら一気に読みました。私もこれからこんな恋愛をしてみたいなって思いました」の柴咲コウのコメント通り、日本中を切なく温かい感動に包んだ。

柴咲と大沢たかおが主演をつとめ、それぞれの高校生時代を長澤まさみ、森山未來が演じた映画版の公開以降、テレビドラマ化、舞台化などさまざまな媒体で作品が展開されたことや、ラストに主人公が叫ぶ「助けてください!」という印象的なセリフも、「セカチュー」ブームに拍車をかけた。

平成26年:「ありのままで」ディズニー作品の主題歌が大ヒット

平成26年は、映画のタイトルではなく、劇中歌が流行語となった年である。

この年、新語・流行語大賞にトップテン入りした「ありのままで」は、ディズニーのアニメーション映画『アナと雪の女王』(2013年)に登場する劇中歌「Let It Go」の日本語版のタイトル。同作は、キャラクターのかわいらしさに加え、美しいメロディーと、心に響く歌詞が織りなす楽曲を用いたミュージカル演出で、世界中の子どもたちを虜に。さらに、女性二人がそれぞれの運命に果敢に立ち向かうというディズニーには珍しいストーリーが、大人の女性たちの胸も震わせた。

エルサの声優をつとめた松たか子が歌う「ありのままで」をマネした“歌ってみた”動画がYouTubeなどで人気となったことも、「ありのままで」ブームを後押しした。

平成28年:メガヒットアニメ映画の影響で流行語となった「聖地巡礼」

アニメ作家・新海誠が原作・脚本・監督を担当したアニメーション映画『君の名は。』が公開された平成28年には、「聖地巡礼」がトップテン入り。ここで言う「聖地巡礼」とは、物語の舞台となった場所を訪れること。近年、アニメファンなど一部の間で流行していたこのワードを、流行語へと押し上げたのは同作の力が大きいだろう。

世代を超えた人々に感動を与えるストーリーのほか、RADWIMPSが手がけた主題歌「前前前世」のヒットなども相まってメガヒットした『君の名は。』。その作中に登場する、新海監督の描いたリアルな東京の街や岐阜県・飛騨の風景は、多くの熱心なファンの足を、モデルとなった地に運ばせた。

(文/ナカニシハナ)

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