2019/01/15 06:30

読めばエモい!シャマラン最新作の前に『アンブレイカブル』ってどんな話?

『ミスター・ガラス』2019年1月18日(金)より全国ロードショー(C)Universal Pictures All rights reserved.

誰もが驚愕した“衝撃のラスト”が話題となり、全世界で大ヒットを記録したM・ナイト・シャマラン監督作『シックス・センス』(1999年)。その興奮冷めやらぬ翌年『アンブレイカブル』(2000年)が公開された。

“あの『シックス・センス』監督最新作”としていやがおうでも期待は高まり、意味深な宣伝文句も相まって、世間はあのどんでん返しを超えるラストを期待した。しかし、その結末は賛否両論を巻き起こす。それから17年後の2017年、続編となる『スプリット』が公開。作品のラストにとんでもない事実が明かされ、『アンブレイカブル』はまさかの新展開を迎えた。

そして1月18日(金)、シリーズ最新作『ミスター・ガラス』が公開される。今回は最新作に備え、過去作『アンブレイカブル』と『スプリット』を振り返りつつ、『ミスター・ガラス』の見どころをご紹介!

 

※『アンブレイカブル』『スプリット』のネタバレを含みます※
※未見の方はご注意ください※

 

『シックス・センス』のヒットで高まった次回作への期待

『シックス・センス』の大ヒットによって、当時無名だったシャマラン監督は一躍注目の映画人となる。そんな中、『アンブレイカブル』は“全世界待望のシャマラン監督最新作”として公開された。

主演は『シックス・センス』と同様にブルース・ウィリス、共演は『ダイ・ハード3』(1998年)でブルースの相棒だったサミュエル・L・ジャクソンという布陣。「今度はどんな凄い結末が待っているのか!?」と、シャマラン監督作への尋常ならざる期待感に加え、『ダイ・ハード3』の2人が共演した作品だったということも、本作の賛否が別れた原因の一つだと言えるだろう。

ミスター・ガラス サブ1

『ミスター・ガラス』(C)Universal Pictures All rights reserved.

正義の誕生と対極の悪の存在を描く『アンブレイカブル』

【あらすじ】
妻子との関係がうまくいかず、生きがいを探すデヴィッド(ブルース・ウィリス)。ある日、彼が乗り合わせた列車が大事故を起こすが、デヴィッドだけが無傷で生き残ってしまう。そんな彼の前に、非常に高いIQを持つアメコミの画商、イライジャ(サミュエル・L・ジャクソン)が現れる。ちょっとしたことで骨折してしまう骨形成不全症という難病を抱える彼は、自分のような脆い体を持つ対極の存在として、不死身の体を持つものがこの世に存在すると信じていた。それを聞かされたデヴィッドは考えを否定するが、自分が風邪一つ引いたことがないことを思い出す。これまで気のせいだと思っていた不思議な出来事が特殊な能力によるものだと気づいた彼は、能力を駆使して「人を救う」生きがいを手に入れるが、一方のイライジャは恐ろしい秘密を隠していた――

公開当時、“主人公が死なない男”であることについて、「オチが弱い」という感想が飛び交った。確かに、『ダイ・ハード』でも“絶対に死なない男”だったブルース・ウィリスが演じたのだから無理もないかもしれない。

時期的にも『シックス・センス』以上のどんでん返しが期待され、語り口も謎めいた作品だっただけに、なおさら否定派を生んでしまったように思われる。

しかし本作は、語り口は特殊であるものの、生きがいを失っていた男が自分の持つ能力に気づき、ヒーローとして生きていくことを決意するストレートな物語だ。イライジャの発言によって能力が覚醒し、息子の憧れの存在になっていく主人公の姿には惹きつけられるし、それをベタに描かず、あくまでスリラーとして語るシャマランの手腕は秀逸だ。

また、本作には『シックス・センス』のようなどんでん返しこそないが、ゾッとするような納得の真相が用意されている。それがイライジャという男の真の姿だ。

彼はヒーローを見いだし、世界を救う手助けをする存在などではない。ヒーロー作品において、本当の悪とは目的のために手段は選ばない。もろい肉体を持たされ、アメコミを心から愛するイライジャこそが、主人公と対極をなす悪であるという真相は、実に気が利いたオチではないだろうか。

今やハリウッドはアメコミヒーロー全盛期。サミュエルは『アベンジャーズ』シリーズの重要な役どころを担う。もし本作が公開される時期が違っていたら、傑作として語り継がれても、なんら不思議ではない作品なのだ。

17年の月日を経て、まさかの続編『スプリット』が登場

『アンブレイカブル』以降、ほぼ2年に1本のペースで作品を作り続けていたシャマラン監督だが、2017年に低予算で制作したサイコスリラー『スプリット』を送り出す。

【あらすじ】
両親を亡くし、叔父に引き取られた女子高生のケーシー(アニャ・テーラー=ジョイ)。ある日、彼女はクラスメイトの2人と共に、ケヴィン(ジェームズ・マカヴォイ)と名乗る男に誘拐され、密室に監禁されてしまう。犯人とドア越しに会話をするうちに、彼が多重人格者であると判断したケーシーたちは、子どもの人格“ヘドウィグ”に話しかけ、脱出の手助けをするよう説得にかかる。しかし、誘拐犯の中に存在する人格たちは、24番目の人格で恐ろしい力を持つ“ビースト”を信奉し、ケーシーたちは彼の生贄になるのだと聞かされる。やがて、何とか部屋から脱出した彼女たちの前に、最後の人格“ビースト”が現れる――

低予算映画のため、登場人物は少なく、物語は限定された空間の中で進行する。主人公のケーシーを演じたアニャ・テーラー=ジョイの悲しげな表情が素晴らしく、彼女のクローズアップが多用されているのが印象的だ。

しかし特筆すべきは、多重人格の誘拐犯を演じたジェームズ・マカヴォイ。彼による説得力のある演技のお陰で、本作が最後までスリラーとして成り立っているといえるだろう。

本作は見ごたえのあるサイコスリラーとして終わるのかと思いきや、そこは“あの”シャマラン監督作品。ラストには2度にわたる衝撃が待っている。まずはあらすじで触れた、最後に登場する“ビースト”という人格だ。

多重人格の誘拐犯なだけに、狂った人格でも登場するのかと思いきや、ケヴィンは文字通り“怪力”を持つビーストに変貌する。監禁スリラーからの唐突なSF設定に驚いたのも束の間、さらなる衝撃が訪れる。

映画のラスト、“ビースト”逃亡のニュースを見つめる男が映しだされるが、彼はなんと、ブルース・ウィリス演じるデヴィッドだったのだ。超能力者の“ビースト”が存在し、デヴィッドがいる世界。それはすなわち、本作の舞台が『アンブレイカブル』だったことを意味していたのだ。

謎だらけの最新作『ミスター・ガラス』

まさかの続編『スプリット』から約1年半。24の人格を持つ多重人格者のケヴィン、不死身の体を持つデヴィッド、そして高いIQとガラスの肉体を持つイライジャがそろう『アンブレイカブル』18年越しの続編、『ミスター・ガラス』が公開される。

本作の詳細はまだ明かされていないが、自分が人間を超えた存在だと信じる3人と、それが妄想だと証明しようとする精神科医による、禁断の領域に踏み込んだ物語が展開するようだ。

もっとも気になるのは、タイトルでもある“ミスター・ガラス”。サミュエル演じるイライジャは、『アンブレイカブル』の最後に精神病院に送られている。高いIQとガラスの肉体を持つ彼の超能力とは何なのか? 彼が物語の中心となる可能性は高いだろう。

ミスター・ガラス サブ2

『ミスター・ガラス』(C)Universal Pictures All rights reserved.

また、人を救うヒーローとして覚醒したデヴィッドのその後に何があり、“ビースト”である多重人格のケヴィンとどう絡んでいくのか。結末はぜひ劇場で見届けてほしい。

シャマラン監督は、本作の構想を『アンブレイカブル』の時から持っていたそうで、ブルースやサミュエルと会うたびに続編の話をしていたそうだ。シャマラン監督作品ならではの衝撃の結末も用意されているようなので、まずは『アンブレイカブル』と『スプリット』の2本を観て、最新作に備えておこう!

文=稲生稔/SS-Innovation.LLC

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