2019/01/17 11:00

『マイル22』で脱・実録路線!“Wバーグ”の過去作品を振り返り

『マイル22』2019年1月18日(金)新宿バルト9ほか全国公開|配給:クロックワークス(C)MMXVIII STX Productions, LLC. All Rights Reserved.

『ローン・サバイバー』(2013年)、『バーニング・オーシャン』(2016年)、『パトリオット・デイ』(2016年)と、3作品にわたりタッグを組んできたマーク・ウォールバーグとピーター・バーグ監督。そんな2人による最新作、『マイル22』が1月18日(金)に公開される。

これまで2人がタッグを組んだ作品は、すべて実際に起きた事件をもとにした“実録もの”だ。徹底したリサーチに基づいて作り上げられる映像は、現場に居るかのように錯覚するほど生々しくリアル。しかし、4度目のタッグ作『マイル22』は、これまでとは打って変わって、架空の国を舞台にしたミリタリーアクション・スリラーだ。

そんな最新作の公開を前に、主演・プロデューサーのマーク・ウォールバーグと監督ピーター・バーグが手掛けてきた“Wバーグ”作品の歴史を振り返りたい!

絶望的な状況からの生還劇『ローン・サバイバー』

Wバーグの初タッグ作は、米海軍が誇る精鋭部隊ネイビー・シールズ史上、最大の惨事と言われる“レッド・ウィング作戦”を描いた戦争アクション『ローン・サバイバー』(2013年)だ。

原作は、唯一の帰還兵であるマーカス・ラトレル氏の回顧録『アフガン、たった一人の生還』。バーグ監督が本作の映像化を熱望していたが、手掛けたSFアクション大作『バトルシップ』(2012年)が思うようにヒットせず、映画化の道が閉ざされていた。

そんな中、主演とプロデューサーを兼任したウォールバーグが周囲の説得に動く。実績があるスター俳優の援護射撃を得たバーグ監督は、奇跡的に本作の制作にこぎつけたのだ。ウォールバーグは製作資金の調達から若手俳優の面倒を見ることまでを担い、バーグ監督は彼の姿勢に感銘を受けたという。この一件でWバーグの絆が深まったことは間違いないだろう。

バーグ監督と俳優陣は、撮影前にニューメキシコの山中で1ヶ月半にわたってネイビー・シールズ仕込みの過酷なトレーニングを積んでいる。実際に作戦を遂行するためのスキルを体に叩き込み、映像にはその成果がしっかりと現れている。

油田爆発という海上の悪夢『バーニング・オーシャン』

タッグ作品第2弾は、メキシコ湾沖約80キロメートルに位置する石油掘削施設、“ディープウォーター・ホライゾン”で起きた原油流出事故を題材にした災害パニック『バーニング・オーシャン』(2016年)。

重大な環境汚染を引き起こし、“油にまみれた黒いペリカンの写真”で世界に知られたこの事件。映画化するにあたりWバーグは関係者に協力を要請するが、事故を起こした会社がかん口令を敷いていたために難航したという。

リアリティを追求する製作陣は実際の掘削施設で撮影することを希望したが、当然許可は下りなかった。そこで、“ディープウォーター・ホライゾン”はセットで再現された。

ウォールバーグが“映画史上最大級”と語るこのセットは、地上から16メートル上空にメインデッキ、そこからさらに4メートル上にヘリ発着場が作られ、水のタンク容量は1万立方メートルにも及んだ。細部まで徹底的にこだわり抜いて復元され、当時実際に現場にいた作業員もその再現度の高さに驚いたという。

マラソン大会で起きた惨劇『パトリオット・デイ』

Wバーグによる実録もの3部作のトリを担うのは、2013年に発生した“ボストンマラソン爆破テロ事件”の容疑者特定から逮捕までの102時間を描いた『パトリオット・デイ』(2016年)だ。

『バーニング・オーシャン』の撮影中に、ウォールバーグは本作のプロデューサーから話を持ち掛けられる。彼は時期尚早と考えていたが、脚本の良さに触発され、自分が生まれ育った街で起きた事件は語らなければならないと映画化を決意した。バーグ監督は、ウォールバーグとともに事件の関係者と会った際に監督を引き受けることを決めたという。

ウォールバーグが演じた刑事トミーは架空の人物だが、事件の際に各持ち場で活躍した警察官たちの特徴を合わせたキャラクターで、ボストン警察を象徴する存在として描かれた。だからと言って英雄的な行為のすべてをトミーが行うのではなく、物語の進行役として機能させ、真の主役はあくまでもボストン市民として描いているのが印象的だ。

また、これまでと同様に本作も入念なリサーチが行われ、完全再現を目指したセットが組まれた。注目は爆発が起きたゴール地点。全長300メートルという規模で再現されたボストン・ストリートは、実際のスケールでセットが組まれており、視覚効果のCGと組み合わせることで、事件当日を完璧に再現している。

マイル22 サブ6

『マイル22』(C)MMXVIII STX Productions, LLC. All Rights Reserved.

Wバーグ初のオリジナルストーリー『マイル22』

Wバーグタッグ作品第4弾、『マイル22』がいよいよ公開となる。フィクションである本作でバーグ監督が目指したのは、シンプルなミリタリーアクション。CGに頼らない生身のアクションで、どこまでリアルな映像を作り出せるかがテーマに掲げられた。

【あらすじ】
世界を揺るがす危険な物質が盗まれ、その行方を知る男リー・ノア(イコ・ウワイス)が重要参考人として保護される。彼を抹殺するため、多数の武装勢力が送りこまれるなか、ジェームズ・シルバ(マーク・ウォールバーグ)率いるCIAの機密特殊部隊は、ノアを国外へと脱出させるための任務に就く。アメリカ大使館から空港まではわずか22マイル(35.4km)。しかし、そこには武装勢力の執拗な攻撃が待ち構えていた。

CIA特殊部隊によるリアルなガンファイトはもちろん見どころだが、特筆すべきは『ザ・レイド』のイコ・ウワイスの出演。劇中では得意の肉弾アクションを存分に披露しているのでぜひ楽しみにしてほしい。

また、バーグ監督は本作について「95分間、おふざけなしの真剣勝負です。“やばいアクション映画”が観たいと思う方へお伝えしたい。私たちは“やばいアクション映画”を作りました。楽しんでいただけるでしょう」と語り、久しぶりの純粋なアクション映画に自身たっぷりの様子だ。

すでに公開された本国では好評のようで、早くも続編の制作が動き出しており、テレビシリーズをはじめ、様々な形でシリーズ展開が計画されている。

ついに脱・実録路線を歩み始め、新たな局面に移行したWバーグ。今後も彼らの動向から目が離せないが、過去作も振り返りながら “やばいアクション”をスクリーン堪能してほしい!

文=梅崎慎也/SS-Innovation.LLC

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