2019/02/21 11:00

ハリウッドで映像化され続けるジャパニーズ・コンテンツの力

(『アリータ:バトル・エンジェル』2月22日全国ロードショー)
(C)2018 Twentieth Century Fox Film Corporation

2月22日(金)についに公開となる『アリータ:バトル・エンジェル』。原作は日本の人気コミックス『銃夢』で、アメリカでは『Battle Angel Alita』のタイトルで翻訳出版され、それが『ターミネーター2』(1991年)や『タイタニック』(1997年)の監督、ジェームズ・キャメロンの目に止まって映画化企画が始動した。『アバター』(2009年)の製作に入る2005年には企画が動き始めたという発表があり、それから15年近くを要して、ようやく映画が公開されるまでに至ったことを考えると、まさに“待望の映画化”と言えるだろう。

(C)2018 Twentieth Century Fox Film Corporation

『アリータ:バトル・エンジェル』は、その完成度の高さから「日本漫画の映画化の見本」と海外では絶賛されており、日本でも公開前から大きな注目を集めている。本作に限らず、近年はハリウッドで日本のアニメや漫画、映画などのキャラクターコンテンツの映画化の話題が多くなっている。今回はその理由を考察して行こう。

種が蒔かれたのは70年代後半~90年代のアニメブーム!

2014年のレジェンダリー版『GODZILLA』や『オール・ユー・ニード・イズ・キル』に、2017年の『パワーレンジャー』に『ゴースト・イン・ザ・シェル』、今年5月に公開予定の『名探偵ピカチュウ』などなど、『アリータ:バトル・エンジェル』の他にも、ハリウッドで実写映像化される日本のキャラクターコンテンツは後を絶たない。

この流れはコンテンツ不足を解消するための、近年のハリウッド映画業界の流行なのかという見方もあるが、時系列的な流れからすると“ようやく機が熟した”というのが適切だろう。

日本のキャラクターコンテンツビジネスがアメリカで注目されたのは、最近というわけではない。特にアニメを中心としたキャラクターコンテンツは、日本の70年代後半から80年代のアニメブームの影響を受けるように、アメリカにも輸出されていたのだ。

例えば「超時空要塞マクロス」は「Robotech」という名称で放送され、玩具を含めて大ヒット。「美少女戦士セーラームーン」は、アメリカ本国には無かった美少女が主人公のアニメということで注目を集め、さらに『AKIRA』(1988年)や『攻殻機動隊』シリーズといったハイクオリティなアニメ映画がビデオ販売でトップセールスを記録するなど、日本のアニメの持つ映像的魅力はハリウッドに大きな衝撃を与えた。

そうした状況に合わせて、日本のコミックスもどんどんアメリカ本国で翻訳されるようになり、コンテンツとしては随分前から注目を集めていたのだ。

日本のコンテンツに触れたクリエイターが台頭

アメリカで受け入れられた日本のキャラクターコンテンツは、ジェームズ・キャメロンやギレルモ・デル・トロのような映像クリエイターが注目するものとなった。

さらにもう少し下の世代のクリエイターになると、幼い頃にテレビ番組やコミックスを通して日本のコンテンツに触れて成長し、現在では映像業界の中心になっているという状況にもなっている。こうした形でアニメやコミックスファンの映像クリエイターやキャストが育つことで、映像化に向けたハードルは大きく実現の方向に向かっていると言えるだろう。

『ゴースト・イン・ザ・シェル』の監督であるルパート・サンダースや『パシフィック・リム:アップライジング』(2018年)の監督であるスティーブン・S・デナイトは、日本のキャラクターコンテンツに影響を受けていることをインタビューなどで答えている。

彼らのようなクリエイターの台頭や、重鎮クリエイターたちの日本のコンテンツに対する理解が、近年になって状況を大きく変えていったのではないかと考えられる。

イメージ再現が可能となった映像技術と表現

(C)2018 Twentieth Century Fox Film Corporation

日本のキャラクターコンテンツに影響を受けたクリエイターたちの台頭に合わせて、CGを駆使した映像表現の進歩が、アニメやコミックスの映像表現を実現へと導いているという部分も見過ごせないだろう。

日本のアニメや漫画は設定や世界観が作り込まれ、さらに魅力的な要素を持つキャラクター、それを彩るメカニックといった絵的な部分に加え、元のアニメの持つテンポ感や雰囲気などの映像的な魅力までも含めた、ファンを納得させるような“原作をイメージ通りに再現する”という部分でのハードルは、かなり高かったとも言える。

CG技術の熟成、アメコミ映画のヒットが牽引するアクション描写の進歩、それらを原作のイメージと合致させながら映像化させるクリエイターの感性や理解度も含めて、まさに“機が熟した”からこそ、ずっと温められてきた日本コンテンツをもとにした映画が多く送り出されているといえるだろう。

(C)2018 Twentieth Century Fox Film Corporation

現在、ハリウッドでは「機動戦士ガンダム」、「TIGER&BUNNY」、『AKIRA』、『進撃の巨人』といった作品の映画化が多数企画されている。『アリータ:バトル・エンジェル』のヒットは、これらのハイクオリティな映像化への追い風になることは間違いない。

(文/石井誠・サンクレイオ翼)



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