2019/02/11 11:45

『九月の恋と出会うまで』のタイムリープはこれまでと何が違うのか

(C)松尾由美/双葉社 (C)2019 映画「九月の恋と出会うまで」製作委員会

松尾由美の同名小説を、高橋一生&川口春奈のW主演で映画化する『九月の恋と出会うまで』。タイムリープがひとつの鍵となる本作は、これまでのタイムリープものとやや違った特徴を持つ作品だ。

“声”だけのタイムリープによる“不自由”さ

ちょっと不思議なマンションに引っ越してきた志織(川口春奈)は、小説家志望の隣人平野(高橋一生)と運命的に出会う。そして、新しい部屋で突然聞こえてきた不思議な声――。「こちらは一年後の未来です。あなたに危険が迫っています!」それは強盗殺人にあうところだった志織を助けようと時空を越えて届いた、未来からの誰かの声だった。相談を受けた平野は、助かった志織に<タイムパラドクス>が生じることに気付く。それは一年後、志織の存在が消えることを意味していた。必死に自分を助けようとする平野に惹かれていく志織だったが、平野との別れは近づいていた――

九月の恋と出会うまで

松尾由美による“書店員が選んだもう一度読みたい文庫”恋愛部門第1位に選ばれた同名小説を映画化する『九月の恋と出会うまで』。小説家志望の平野を高橋一生が、未来からの声によって運命が変わっていく女性・志織を川口春奈がW主演で演じる。高橋一生は本作が初の恋愛映画主演作となる。メガホンをとるのは山本透監督。

本作は、強盗殺人にあうところだった志織を助けようと、時空を超えて届いた未来からの声の相談を受けた平野が、助かった志織に<タイムパラドックス>が生じることに気づき、そんな“未来からの声の主”を探すためふたりで奔走していくストーリー。時間軸の移動や矛盾を絡めた作品でたびたびみかける「タイムリープ」。本作でもタイムリープが重要な鍵のひとつだが、特徴的なのは、“声”だけが時を超えるという点だ。

九月の恋と出会うまで サブ1

時を超えて誰かを助けるという行為において、“自分が過去、もしくは未来から来た人間であると相手に信用してもらう方法”というのは往々にして大きな問題となる。未来や過去の人間でしか知らない知識を披露するか、或いはそもそも相手にタイムリープしてきた人間だと伝えずに立ち回るのか。人となりが分かればまだ説得しやすいかもしれないが、本作では、未来から時を超えて志織の元に届くのは正体不明の“声”のみ。それを志織が怪しむのは当然で、“声”の主にとっても彼女に“自分が未来からあなたに声を届けている”と信じて貰うのは、ハードルの高い行為だ。

しかし、この“声”だけのタイムリープによる“不自由”さが、結果としてストーリーの幅を広げており、更に“声”の依頼で志織が尾行することになった平野との間にもミステリー的な展開が生まれるなど、ハンデを逆手に取ることでキャラクター同士のやり取りがタイムリープと聞いて予想される展開以上の多様さを生んでいる。

また、同じ時間を繰り返したり、移動したりではなく、“未来”からの声によって“現在”に生じた矛盾を解消する為に男女が奔走するという展開も新しく、そこに本作でしか描けない一途な想いと切ない嘘が生まれ、感動を呼ぶポイントにもなっている。

九月の恋と出会うまで サブ2

メガホンをとった山本監督も、「この映画を作る時、タイムトラベルものはたくさんあり、特に“本人”がタイムトラベルする設定が多いですが、本作はそれが“声”になるので、はじめは難しいと感じました。しかし、一生さんの説明がすごく上手く伝わってきたので、平野が志織に説明するシーンは気に入っています」と、高橋の演技を称賛した上で、“声”が時空を超える表現の新しさについて言及している。

王道とも言えるタイムリープものに、“声”のみという制約を与えることで、王道の面白さを残しつつ、あらたな展開を期待させる本作。『九月の恋と出会うまで』は2019年3月1日(金)より全国ロードショー。

(C)松尾由美/双葉社 (C)2019 映画「九月の恋と出会うまで」製作委員会

今日の運勢

おひつじ座

全体運

おおらかな気持ちで楽しく過ごせそう。アフター5はグルメマッ...もっと見る >