2019/02/23 06:30

オスカーの行方を占う「トロント国際映画祭」が注目な理由

(『グリーンブック』3月1日公開)
(C)2018 UNIVERSAL STUDIOS AND STORYTELLER DISTRIBUTION CO., LLC. All Rights Reserved.

アカデミー賞の前哨戦ともいわれるゴールデン・グローブ賞で、作品賞(ミュージカル・コメディ)、助演男優賞、脚本賞の最多3部門に輝いた『グリーンブック』(3月1日公開)。

1960年代、人種差別的内容を含む州法が認められていたアメリカ南部を舞台に、演奏ツアーを敢行した黒人ピアニストとその運転手兼用心棒を務めたイタリア系白人が育む友情を実話ベースでつむぐ、笑って泣ける旅物語です。

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脅威の満足度で多数の映画祭&賞レースを席巻している本作は、今年度の第91回アカデミー賞でも作品賞を含む5部門にノミネートされています。その好成績のスタートとなったのが、トロント国際映画祭の観客賞受賞です。

北米最大規模を誇るトロント国際映画祭とは?

1976年に創設されたトロント国際映画祭は、カナダ最大の都市トロントを拠点に毎年9月に開催され、世界60か国以上から選ばれた約300本の作品を上映。来場者はベルリン国際映画祭、カンヌ国際映画祭に次ぐ32万人超と、いまや北米最大の規模を誇る国際映画製作者連盟(FIAPF)公認の国際映画祭となっています。

多くの映画祭で設けているような審査員によるコンペティション部門はなく、最高賞は一般の観客が投票によって決める「観客賞(ピープルズ・チョイス・アウォード)」です。近年ではその宣伝効果を狙って、初披露となるワールドプレミアの場として選ばれることも増えており、『グリーンブック』もここで世界初上映が行われました。

また、カジュアルな雰囲気が漂う同映画祭では、セレブたちがいつもより近い距離で気軽にファンサービスに応じてくれます。これも人気に拍車をかけた要因のようです。

観客賞受賞で一気にオスカー最有力作品に!

トロント国際映画祭の観客賞は、受賞した作品が過去のアカデミー賞で主要部門を獲得していることから、“オスカーにもっとも近い賞”と言われています。

第33回の観客賞を受賞した『スラムドッグ$ミリオネア』(2008年)は、同年度の第81回アカデミー賞で作品賞・監督賞を含む8部門を制覇しています。また、第35回観客賞を受賞した『英国王のスピーチ』(2010年)は、第83回アカデミー賞で作品賞・監督賞含む4部門でオスカーを獲得。

同様に第38回受賞作の『それでも夜は明ける』(2013年)は第86回アカデミー賞で作品賞含む3部門、第41回受賞作『ラ・ラ・ランド』(2016年)は第89回アカデミー賞で監督賞ほか6部門を受賞しています。

そして、昨年は批評家からも絶賛された『スリー・ビルボード』(2017年)が同賞を獲得。第90回アカデミー賞でも作品賞を含む6部門、計7つのノミネートを受け、主演女優賞と助演男優賞を獲得するなど、その存在感を示しています。

本年度を締めくくる賞レースの行方は…?

“アメリカ映画のための祭典”と呼ばれる米アカデミー賞は、「映画芸術科学アカデミー」の会員である監督・俳優らハリウッドの映画人約6,700人の投票によって勝敗が決まります。

今年の作品賞の下馬評では、最多10部門ノミネートのNetflix配信作品『ROMA / ローマ』と9部門10ノミネートの『女王陛下のお気に入り』のほか、『グリーンブック』、『アリー/ スター誕生』など、ノミネートされた半数のタイトルが有力作としてあがるという混戦模様に。

中でも『グリーンブック』は、トロント国際映画祭・観客賞のほかゴールデン・グローブ賞、全米製作者組合賞、ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞で作品賞を受賞しており、特に作品賞、助演男優賞(マハーシャラ・アリ)、脚本賞への期待がかかります。

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映画祭や賞レースといえば、米アカデミー賞に注目が集まりますが、トロント国際映画祭のように映画業界にとって重要なイベントはたくさんあります。各賞の結果を振り返りながら、その年の動向に注目してみるのも映画の楽しみ方の一つです。

(文/足立美由紀・サンクレイオ翼)



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