2019/02/28 06:30

佐野勇斗×本郷奏多が語る「自然と“仲間”になれた」

写真=山本マオ

場を盛り上げてくれる、開けっ広げな佐野勇斗と、それを優しくフォローする平静な佇まいの本郷奏多。役者として異なる魅力をもつが、取材中、息の合った様子を見せた2人が『凜‒りん‒』で初共演し、W主演を果たした。お笑い芸人で、芥川賞作家である又吉直樹が2007年に書き下ろした同名戯曲を原作にした、サスペンスフルな青春群像劇である。

佐野 脚本がすごく面白かったんです。初めて脚本をもらったときに、犯人探しをしながら読んでしまって。いろんな伏線に引っ掛かったし、最後まで犯人がわかりませんでした。楽しんだ後に「演じるんだった」と我に返った感じです(笑)。

本郷 僕もそうです。これはどういうこと? という連続で、いろんなミスリードをする。面白い脚本だと思いました。

舞台は「100年に一度、子供が村から消える」との民話が残る村。優等生の耕太が通う高校に、曰(いわ)くありげな転校生・天童が転校してくる。それからというもの村から子供が消える不可解な事件が起き始める。耕太を演じた佐野は、等身大に近い役柄を真っ直ぐに体現。好感のもてるキャラクターを作り上げたゆえ、観客は耕太に感情移入でき、ドキドキハラハラしながら一緒に物語を追うことができる。本郷が演じたのは、もう一人の主人公・天童。ミステリアスなキャラクターを巧みに演じ、サスペンス要素を盛り上げている。

普通の男の子を演じるのは難しかった

写真=山本マオ

佐野 天童を奏多くんが演じると聞いていたこともありますが、脚本を読んだら奏多くんが言っているようにしか思えなくて。本当に役にハマっているな、と。

本郷 ありがとう(笑)。初めて一緒に演じてみて感じたのは、真っ直ぐな芝居をするよね。普通の高校生役をステキに演じていて、すごく耕太っぽい。

佐野 この上なく嬉しいです! 僕はキャラクターが立っている役の方が演じやすいので、普通の男の子を演じるのは難しかったんですが、考え過ぎないように感じたまま表現しようと。あとは池田(克彦)監督を信じてやるだけでした。

本郷 僕も天童を演じるのは難しかったです。物語をひっぱっていくキャラクターでもあるので、自分の芝居だけをすればいいわけではなくて。心の内の全てはさらけ出さないキャラなのでわかりづらいけど、不器用なだけで素直な子なんじゃないかな。でも時折見せる言動に脚本を読みながら「なんでそうなんだ、君は」と突っ込みを入れたくなるヤツでした。

5人の楽しい気分が伝わる掛け合いや演技

(c)2018 吉本興業

天童はやがて耕太の仲間である大仏、竜二、真島らと仲良くなる。5人の楽しい気分が伝わる掛け合いや演技のアンサンブルは、どのように作り上げたのだろうか。

佐野 監督と5人で結構話し合いました。ワークショップ的なことはしていないけど。

本郷 そういうことができる現場ってなかなかないから。でもたくさん話し合ったおかげで、自然と仲間感は出せたんじゃないかな。

友情を育んでいく5人だが、ある出来事がきっかけで耕太は天童が信じられなくなってしまう。耕太が天童に詰め寄る教室のシーンで、2人は真っ向から対峙することになる。

佐野 段取りの時、先輩の奏多くんに強く向かえない気持ちと、そんな考えではダメだという気持ちがありまして。でも奏多くんが「思い切りきていいよ」と言ってくれたんですよね。

本郷 あの時の佐野くん、あたりがソフトだったから。そういうことをあまり現場で言わないから覚えているよ。

佐野 段取りから思いっ切りやるのはどうなのか、とか考えちゃって。それでソフトにいっちゃった。

本郷 そうだったのか。ごめん、意思の疎通ができてなかったね(笑)。

 

対談の続きは『キネマ旬報』3月上旬特別号に掲載。今号では「今年の面白い映画って何?」に答えます!と題して、『キネマ旬報』が紹介する2019年ラインアップの巻頭特集をおこなった。その他に戸田恵梨香のインタビューや毎年恒例となったアカデミー賞大予想!?などを掲載している。(敬称略)

『凜-りん-』
2019年・日本・カラー・1時間23分
◎イオンシネマ(一部劇場を除く)にて上映中
公式サイト: http://rin.official-movie.com

取材・文=小竹亜紀/制作:キネマ旬報社

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