2018/04/22 07:00

【佐々木俊尚コラム:ドキュメンタリーの時代】「ラッカは静かに虐殺されている」

「ラッカは静かに虐殺されている」の一場面 (C)2017 A&E Television Networks, LLC | Our Time Projects, LLC
「ラッカは静かに虐殺されている」の一場面 (C)2017 A&E Television Networks, LLC | Our Time Projects, LLC

 恐ろしいほどに迫真性に飛んでいて、そして感動的な作品だ。そして同時に、この映画はメディアをめぐる戦いという現代的なテーマを巧みに切り取っている。

 舞台はシリアのラッカ。かの悪名高いイスラム国(IS)が「首都」にしていたシリア北部の都市だ。昨年秋にシリア民主軍によって奪還されるまで、3年にわたってISに支配されていた。

 「ラッカは静かに虐殺されている」はとても黙示録的で詩のようなタイトルだが、これは実は団体の名称である。Raqqa is Being Slaughtered Silently. 略してRBSSはシリア人たちによって結成され、ISの恐怖支配をかいくぐってラッカの街の現状を外部に向かって報じ続けた。IS側は、ラッカはまるで地上の楽園のように繁栄し、人々は安定した市民生活を送っているというプロパガンダを流していた。

 でもそんなことはない、とRBSSは報じた。物資は窮乏し、日常的な暴力が蔓延している。通りに面した公園で人々が殺害され、首を斬られて柵にさらされている恐ろしい映像も本作には出てくる。子供たちはアフリカ少年兵のように集められて訓練され、兵士にされていく。

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