2018/12/04 19:00

大阪・西成を映した16ミリ映画「月夜釜合戦」、ポルトガルの映画祭で最高賞

「月夜釜合戦」の一場面 (C)映画「月夜釜合戦」製作委員会
「月夜釜合戦」の一場面 (C)映画「月夜釜合戦」製作委員会

 [映画.com ニュース]11月24日~12月2日まで(現地時間)ポルトガルのポルト・ポスト・ドック国際映画祭で、インターナショナルコンペティション部門に出品された「月夜釜合戦」が日本映画初のグランプリを獲得した。

 映画は古典落語「釜泥」をベースに、大阪・西成で16mmフィルムで撮影された。再開発の波が押し寄せる西成で泥棒、娼婦、ヤクザ、日雇い労働者、活動家らクセの強い面々が、訳ありの“釜”を巡って争奪戦を繰り広げるというドタバタの喜劇だ。2009年山形国際ドキュメンタリー映画祭出品作「長居青春酔夢歌」の佐藤零郎監督がメガホンをとり、川瀬陽太、渋川清彦ら演技派俳優陣のほか、足立正生監督も俳優として出演している。

 今回5回目の同映画祭は、ポルトガルの映画監督マノエル・ド・オリベイラの生まれ育った町・ポルトで開催され、先鋭的なプログラムでヨーロッパの映画批評家たちから注目を集めている。

 ポルトガルを代表する日刊紙「Expresso」紙では「社会の周縁へ追われる人々への共感。日本映画の体制批判の伝統を継承するその方法。この2つを理由に『月夜釜合戦』にグランプリを授与します。人々の厳しい生活の現実をもとにつくられた明朗喜劇であるこの作品は、共生そして寛容という共同体の他ならぬ意味を見出し、賛辞を送っているのです」と授賞理由を発表。

 佐藤監督は「この喜びを釜ヶ崎の人達、そしてスタッフと分かち合いたいと思います。「月夜釜合戦」で描いた世界は、いまあらゆる都市で起きている事だと思います。この経験を糧に、この映画を世界各都市で上映すること、さらには次回作へと進みたいと思います。」とコメントしている。

 同作は、2019年春にユーロスペースでの公開を予定している。

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