2019/01/11 16:00

名匠クリスティアン・ペッツォルト、祖国を追われた人々描く「未来を乗り換えた男」に込めたメッセージとは

 そして、悲劇的な歴史を経験してきたからこそ、人間の尊厳を守る法律ができたことを強調する。「ドイツを出るしか道はなく、でもどこにも行けず、どの国からも受け入れられず、ピレネー山脈の収容所に入れられ、ヴァルター・ベンヤミンのように自殺を図るなど、悲しい最期を迎えた人々。そのような人々がいた事実があるからこそ、ドイツ憲法に亡命権の条項ができたのです。現在、ドイツには難民が大挙して押し寄せています。まるで嵐の日、岸に押し寄せる荒波のように。しかし、亡命権の条項が削除されることはないと思います。できないと思っています。そのことがこの映画における私の唯一の政治的なメッセージです」

 実際の出来事から60年近く経つが、今作ではファシズムによって占領されたマルセイユをそのまま架空の現代に置き換えた。「脚本を手がける前に、舞台を1940年から現代に移して、亡命者たちの映画が作れるのかと想像してみました。全く違和感はありませんでした。違和感がなくて、逆にそのこと自体に違和感を感じたくらいです。現代の我々が70年前にマルセイユで行き詰っていた人々の逃亡の試み、不安、トラウマ、あらゆる物語がたやすく理解できるということです。そのことになんの説明も要らないということに驚かされたのです」

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