2019/10/30 17:30

戦争経験者の主演俳優が語るトラウマ ウクライナ東部紛争を彷ふつとさせるディストピア異色作

バレンチン・バシャノビチ監督、戦争を 経験した主演俳優アンドリー・リマルーク
バレンチン・バシャノビチ監督、戦争を 経験した主演俳優アンドリー・リマルーク

 [映画.com ニュース] 第32回東京国際映画祭のコンペティション部門に出品された「アトランティス」が10月30日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで上映され、メガホンをとったバレンチン・バシャノビチ監督、主演を務めたアンドリー・リマルークが会見を行った。

 荒廃した土地を硬質な映像美、ワンシーン・ワンショットで映し出すウクライナ発のディストピア異色作。2025年の戦争直後の世界で、深いトラウマを抱えた元兵士の男は、身元不明の死体発掘に携わる女性と出会い、自らの過去と向き合う。

 「『ウクライナではまだ戦争が続いている』ということをリマインドするために、この映画を撮りました」と強い眼差しで、ウクライナ東部紛争に言及するバシャノビチ監督。時代設定を現代にしたり、ドキュメンタリー形式で描いたりといった選択肢を避け、あえて近未来に設定した理由を「これまで撮られた多くの戦争映画は、戦争が終わって10年後、15年後に撮られたものが多いと思います。戦争をテーマに映画を撮ろうとすると、政治的な問題が絡み、『敵軍が悪いものだ』という考えが現れてしまう。そういったことを避けて、純粋に映画を撮りたかった。戦争によってどのような変化がもたらされるか、ということを描くために、近未来(という設定)は正しい選択だったと思います」と語る。

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