大林宣彦監督、最新作「海辺の映画館 キネマの玉手箱」で貫く反戦「未来は変えられるかもしれない」
[映画.com ニュース] がんとの闘いを続ける大林宣彦監督が最新作「Labyrinth of Cinema=海辺の映画館 キネマの玉手箱」を完成させ、第32回東京国際映画祭の特集上映「映像の魔術師 大林宣彦」でお披露目される。映画への尽きぬ愛、反戦への思いをこれでもかというくらいに詰め込んだ3時間に及ぶ一大叙情詩だ。
肺がんのステージ4で、余命3カ月と宣告されたのは16年8月。しかし、大林監督は“がんと仲良くする”という前向きなスタンスで「宿主を大切にしろよ。俺が死んだらおまえさんも死ぬんだぞ」と言い聞かせながら治療に当たってきた。その上で大きな支えになったのが映画への情熱といえる。
「今の切羽詰まった時代、表現の自由で一番問われているのは、自分自身にウソをつかず正直であればいいということ。それが映画であるという社会的事実があるわけで、(観客の)皆さんも受け入れてくださると思っているんです」