麻薬問題が深刻なフィリピン 警察官が歌い、麻薬常習犯の投降を促す驚きの手法「マニャニータ」とは?
[映画.com ニュース] 第32回東京国際映画祭のコンペティション部門に出品された「マニャニータ」が11月2日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで上映され、メガホンをとったポール・ソリアーノ監督、主演を務めたベラ・パディーリャが会見を行った。
共同脚本に鬼才ラブ・ディアスが名を連ねるフィリピン映画。顔の半分にあざを持つ射撃選手出身のヒロインは、軍に仕えたが職を解かれ、毎晩バーで泥酔する日々を送っている。やがて1本の電話をきっかけに、彼女の運命は大きく変化していく。
限界まで削ぎ落したセリフとカメラの動きでつづる、圧巻の143分。ソリアーノ監督は「物語を語る上で、ルールやガイドラインなしで、撮影したもので語らせる撮り方、編集をしたかった」「彼女の旅に付き合っていくことで、(観客は)居心地悪さを感じると思うし、忍耐を強いられる映画かもしれない」と思いを巡らせる。パディーリャは「人生で1番短い脚本で、全部で8ページでした」と挑戦的な作品であったことを訴え、「その短さのおかげで、気持ちや動きを自由にできる解放感がありました」と撮影を振り返った。