2017/09/16 09:26

秀山祭大歌舞伎 叔父が書いた“新作”を市川染五郎が演じる

中村吉右衛門(左)と甥の市川染五郎(C)日刊ゲンダイ
中村吉右衛門(左)と甥の市川染五郎(C)日刊ゲンダイ
 9月の歌舞伎座は毎年「秀山祭」。初代中村吉右衛門を偲ぶ公演で、今年で10回目となる。初代は俳句もたしなみ、「秀山」はその俳名。

 初代の孫で養子(ややっこしいが)の当代(二代目)吉右衛門が座頭となり、初代が得意とした芸を披露し、次の世代へ伝えるのを目的としている。今年も初代の当たり役の「毛谷村」「幡随院長兵衛」「逆櫓」などが演目に並ぶ。

 名作で名演だが、どれも数年に一度は上演されているものなので新鮮味に乏しい。そのせいか、客の入りはいまひとつだが、夜の部の「再桜遇清水」(さいかいざくらみそめのきよみず)は、1985年に当代吉右衛門が脚本を書いて大阪で初演し、東京では初の上演となる「準新作」。

 歌舞伎座は7月、8月と新作が続き、10月もインド神話を原作にした「マハーバーラタ戦記」が予定されるなど、新作ラッシュだ。どれも、それぞれの役者と作家が、現代に歌舞伎の新作を作ることの意味を考え、結果としては、全く異なるアプローチの新しい歌舞伎が次々と生まれており、見逃せない状況にある。今月の「再桜遇清水」は、その中では目立たないが、最も「普通の歌舞伎」らしいので「新奇な新作」に飽きた人には、本来の歌舞伎が楽しめる。

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