2017/11/08 09:26

“チーム半沢”の個性が光る 「陸王」は署名性のあるドラマ

福澤克雄ディレクターの存在は大きい(C)日刊ゲンダイ
福澤克雄ディレクターの存在は大きい(C)日刊ゲンダイ
コラム【TV見るべきものは!!】

 小さな者が大きな者に挑む。弱い者が強い者に挑む。「陸王」(TBS系)は、あきらめずに挑戦する者たちの熱いドラマだ。

 物語の舞台は、埼玉県行田市にある老舗の足袋メーカー、こはぜ屋。会社の将来を考えた4代目社長の宮沢(役所広司)が、ランニングシューズの開発に乗り出す。それが「陸王」だ。

 しかし銀行は融資を渋るどころか、20人しかいない社員のクビを切るリストラを強要してきた。だが宮沢はそれをはねつけ、「陸王」への取り組みを本格化させる。さらに試作品が出来ても、一流のランナーは大手メーカーに囲い込まれており、そう簡単に履いてはくれない。ようやく茂木選手(竹内涼真)が試してくれたのは、第2話の終わりだった。

 原作は池井戸潤。脚本が八津弘幸。そして伊與田英徳プロデューサーに福澤克雄ディレクター。「半沢直樹」や「下町ロケット」で知られる“チーム半沢”による制作であり、特に福澤の存在が大きい。同じ日曜劇場で「南極大陸」や「華麗なる一族」なども手掛けてきたが、“男のドラマ”の見せ方が実にうまいのだ。

 物語の流れにおける緩急のつけ方。キャラクターの際立たせ方。アップと引きの画の効果的な使い方などに、“福澤タッチ”と呼びたい個性が光る。「陸王」は、そんな“署名性のあるドラマ”の一本だ。

(碓井広義/上智大学教授=メディア文化論)

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