2017/11/19 17:00

トム・フォード最新作「ノクターナル・アニマルズ」 解釈を観客に委ねるということ

ノクターナル・アニマルズ (C)Universal Pictures
ノクターナル・アニマルズ (C)Universal Pictures

 今秋、日本では良作スリラー映画が相次いで公開された。ライフル業界とロビイストの対立を描く「女神の見えざる手」をはじめとして、エセ宗教を通じて善悪、真偽の臨界点を見せつけた「我は神なり」、「ソウ」シリーズ7年ぶりの新作「ソウ:レガシー」、さらにはいずれも米国で記録的なヒットとなった「ゲット・アウト」「IT/イット “それ”が見えたら、終わり。」と、枚挙に暇がない。そんな中ミニシアター系列のランキング上位に居続けているのが、トム・フォード監督(脚本兼任)の長編2作目となる「ノクターナル・アニマルズ」だ。本作は第73回ヴェネチア国際映画祭では金獅子賞を最後まで争い、審査員賞グランプリを獲得。英国アカデミー賞では受賞には至らなかったものの、「ラ・ラ・ランド」に次ぐ9部門ノミネートの快挙を成し遂げた。

 アートギャラリーのオーナーをしているスーザンは、夫からの無関心、重なる不眠、関心のないアートに囲まれながら空虚な生活をしている。そんな日、20年前に別れた元夫・エドワードから「夜の獣たち」と称された小説が届く。その死と暴力に彩られたスリラー小説がもつエネルギーに彼女は惹かれていき、夜ごと元夫との日々を、自らの人生を回想していく――というストーリーだ。「それは愛なのか、復讐なのか。」のキャッチコピーが示す通り、本作はオープンエンドとなっている。特にラストシーンのとあるキャラクターがとる行動の解釈は観客に委ねられ、スクリーン上では明らかにされない。そのため「絵はキレイだった、けどよくわからなかった」という感想が見受けられる。

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