2018/06/09 16:00
糖尿病の薬に脳の若返り効果、世界が注目する「認知症治療」
実験中のこの薬だが、人への安全性と有効性のデータ蓄積が期待されている。
■脳ペースメーカーで脳機能が回復
「米国有力紙『ニューヨーク・タイムズ』でも取り上げられたのは、米国ペンシルベニア大学で行われている“脳ペースメーカー”とも呼ばれる、新たな治療方法の提案です」
同様の研究は複数の施設で行われているが、大西さんが注目するのは1月30日、オハイオ州立大学医療センターの研究者が発表したレポートだ。
「基本的に心臓ペースメーカーと同じ構造です。異なるのは、電気を通す細いワイヤを心臓ではなく、アルツハイマー型認知症患者の前頭葉に埋め込むこと。前頭葉は、問題を整理したり、計画を立てる役割を果たしていますが脳ペースメーカーによって深部脳刺激(DBS)を与えると、治療していないアルツハイマー病患者に比べて、認知機能と日常機能の低下を遅らせられたとのことです」