2018/02/19 11:00

SFで超少子化社会描く…エミー賞総なめの海外ドラマって?

(C)2017 MGM Television Entertainment Inc. and Relentless Productions LLC. All Rights Reserved.
 
『お笑い』 『海外ドラマ』 『マンガ』 『ラジオ』の4ジャンルを週替わりで、そのスペシャリストが 最推し番組 を指南する『今週の萌えガタリ』。今週は『海外ドラマ』ということで、『BAILA』『日経エンタテインメント!』ほか各種媒体に映画・海外ドラマのレビューやコラムを連載中の今祥枝さんが最推しドラマを紹介!
 
【最推し海外ドラマ】『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』
 
環境汚染により、子どもの出生率が著しく下がり、5人に1人しか健康な子どもが生まれない近未来。子どもを産むことができる健康な女性は、国家のために子孫を残すべく、子どもを産む機械=侍女として生きることを強いられている。
 
ドラマ『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』は、設定を聞くだけでも、ギョッとするような衝撃作。でも、今の時代に、これが全くの絵空事だと笑い飛ばせる人はいないはず。超高齢化社会に突入し、少子化が切迫した課題として叫ばれる日本においても、リアルな恐怖を覚える人は少なくないでしょう。
 
原作は、'85年にカナダの作家、マーガレット・アトウッドが発表した『侍女の物語』。30年以上経った今、アトウッドの鳴らした社会への警鐘は、驚くほどの危機感を伴うものとして、ドラマ化を機に注目を集めています。
 
侍女たちは、体の線が見えない赤いローブに、すっぽりと顔を覆って伏し目がち。常に監視されているのでおしゃべりもできず、反抗すれば厳罰が待っている。夫も娘も、名前すら奪われた主人公のオブフレッド(本当の名前はジューン)は、富裕層である司令官フレッドの子孫を残すために一家に仕え、子どもに恵まれないフレッドと妻と3人で、月に1度の 儀式 に臨みます。これが世にもエグいんですね。
 
侍女は妻の股の間に頭を置いて横たわり、妻と手を握り合いながら、夫と行為に及ぶのですが、そこに快楽があってはならない。侍女は「歩く子宮であって愛人ではない」のです。物として扱われる女性たちの姿は、女性の人権運動が今また大きなうねりとなっている現代において、さまざまな事例と重なり、むうと考え込んでしまうことも。
 
この社会では、産める女と産めない女がいるだけ。 コロニー 行きとなる後者の末路は、侍女以上に悲惨です、個人の幸福よりも国家の利益が優先され、密告を恐れて人々が息を潜めて暮らすようすは、全体主義の恐怖をこれでもかと伝えて、心の奥底がシンと冷たくなるよう。
 
一体、なぜこのような事態になってしまったのか? ドラマでは、断片的にジューンの過去が描かれるのですが、それは私たちが送っている生活となんら変わりありません。少しずつ、何かおかしいな、変だなと思いながら日々を送るうちに、女性差別が至るところで顕在化し、気づけば女性名義の銀行口座は凍結され、仕事を失い、クーデターにより宗教主義国が誕生していた。「弾圧に抵抗した時には遅かった」というジューンの心の声が、鋭く胸に刺さります。
 
ある時、侍女の1人が「人って慣れちゃうのね」とポツリ。その瞬間の、ジューンのハッとしたような表情が忘れられません。後悔してもしきれないけど、過去は変えられない。屈辱に耐えながら、娘と再会するために生き抜く覚悟を決めたジューンの不屈の闘いは、どのような道をたどるのか。この物語はSFでも遠い未来の話でもない、現代社会を映す鏡なのです。

今日の運勢

おひつじ座

全体運

落ち着いた気分で過ごせる一日。今やっていることを振り返り、...もっと見る >