2018/02/27 17:00

家事は待ったなし……主夫の鬱からの脱出法(辻仁成「ムスコ飯」エッセイ)

 
ちょっと人生に疲れてしまいました(笑)。シングルファザー生活も5年目に突入しましたが、 どうやら疲れがマックスに達したようです。最近、階段を踏み外してしまい、全身あざだらけになって、3日くらい頭がぼんやりしていました。でも、家事は待ったなし。休むこともできず、洗濯機の前で思わず、「きつい! もうやだ。仕事が手につかない、自由がほしい、逃げたい」と叫んで、座り込んでしまい、もしかしたら、鬱なのかも、と実感した次第です。こういう経験、おありですか?
 
フランスは暗いので、冬はとくに憂鬱になります。会社勤めじゃないので、主夫は気を付けないとなりませんね。買い物くらいしか外出する機会もありませんし。これでは鬱になってもおかしくありません。そこで、自分を励ますための技を開発しようと思いました。今日は私が考えました鬱からの脱出法を紹介したいと思います。
 
1、とりあえず外に出て青空を見上げる。人間にも光合成が必要です。2、大声で歌を歌う。歌にはエネルギーがありますから大いに歌ってください。3、我慢せず、はばかることなく号泣する。泣いて吐き出すのです。すっきりしますよ。4、親しい人に電話をかけて、なんでもいいので話をする。5、甘いものは疲れた時にいいといいますが、実はビタミンを奪うので 。絶対食べないように。かわりにカルシウムの摂取を。6、トイレットペーパーに嫌な出来事を全て書き出し流してください。流す時は必ず大きい方で流しましょう。どば~っと流れていく嫌なものを見てすっきりしてください。7、「鬱だから、なんでも悪い方に考えるんだ、これは症状に過ぎない、もうすぐ元気な自分に戻れるから、ほっておこう」と思ってください。長い冬がもうすぐあけます。そして、暖かい春は必ずやってきます。人間も一緒です。そういうサイクルの中で生きているのですから、訪れる春を待ちましょう。
 
どうですか? なんとなく鬱から脱することができそうな気がしませんか?
 
そういえば最近、簡易卓球セットを買いまして、息子とテーブル卓球クラブを創設しました。気晴らしになりますし、いい運動にもなるんです。なんたって笑えます。ストレスの解消に最高ですよ。ぜひ、やってみてください。ご主人とやれば夫婦仲も円満、請け合いです。
 
さて、本日の一品は「鶏なす人生甘辛煮」です。人生の酸いも甘いも知り尽くした小生だからこその料理ですぞ!
 
材料4人前:鶏ひき肉400g、なす6本、しょうが大さじ1、にんにく小さじ1、長ねぎ3分の1本、豆板醤小さじ2分の1、水2分の1カップ、味噌大さじ2、めんつゆ(3倍濃縮)大さじ2分の1、だし醤油小さじ1、砂糖大さじ2分の1、みりん適量、塩・こしょう適量、水溶き片栗粉適量。
 
まず、なすを縦半分に切ってから、皮目に5ミリ幅の格子状の切れ目を入れ、食べやすい大きさにカット。フライパンに油を引き、なすを皮目からしっかりと焼きます。ひっくり返しながら焼き色がつくまで火を通してください。別のフライパンに油を引き、弱火でみじん切りにしたしょうがとにんにくを炒めます。香りが移ってきたら、みじん切りにした長ねぎを加え、続いて鶏ひき肉を炒めていきます。最初は強火で具材をほぐしながら火を入れ、中火にしたら豆板醤、水、味噌、めんつゆ、だし醤油、砂糖、みりん、塩・こしょうで味付け。最後に水溶き片栗粉を加えそぼろあんかけにした後、なすとしっかりあえて完成。器に盛り、千切りにした大葉やごま(分量外)を振りかけていただきます。
 
息子君、この4人前を、美味い美味いと言ってあっという間に完食。鬱かな、と思ったら美味いもんをがんがん食べるのがいちばんですね。
 
ボナペティ!
 
本誌連載の料理をえりすぐったレシピ本『パリのムスコめし 世界一小さな家族のための』も絶賛発売中です!

今日の運勢

おひつじ座

全体運

落ち着いた気分で過ごせる一日。今やっていることを振り返り、...もっと見る >