2018/04/17 17:00

子育ての息抜きに本場の仮面舞踏会へ(辻仁成「ムスコ飯」エッセイ)

 
フランスの大人たちは夜会を愉しみます。ホームパーティみたいなカジュアルなものから大規模なソワレ(夜会)まで、多種多様。シングルファーザーになって4年が過ぎましたが、やっと子供の手も離れてきました。人生の気分転換に、友人が主催する夜会に参加するようになったのです。先日はベルサイユで行われた仮面舞踏会に招かれました。盛装をして、目元をマスクで隠し、シャンパンを飲みながら、ご婦人とダンスを踊るのです。
 
あの、これでも私、モテるんですよ(笑)。自分でもびっくりするくらい、声がかかります。1人のマダムに「踊って頂けますか?」と声を掛けられまして、踊ったところ、次々にご婦人がやって来て、ひっぱりだこに。実は、母がかつて社交ダンスの先生をやっておりました。私もその血を継いでいるのです。それにアジア人ですからね、エキゾチックで不思議な感じがするのでしょう。踊ったご婦人が私を離しません。「職業は作家で歌手」と言うと、興味津々、いろいろ聞かれました。「結婚しているの?」「いいえ、独身です」。こんなやりとりが続きます。しかし、残念なことに私メ、フランス語が苦手。ちょうどギターがあったので、エディット・ピアフの『ばら色の人生』をお披露目することになりました。歌なら本業ですからね、人々の注目を集め、拍手喝采!
 
ところが、人々の視線を浴び、いい感じになったちょうどその時、息子から電話が掛かってきたのです。「パパ、お腹空いた!」。やれやれ。何たるタイミングでしょう。仕方ありません。別れを惜しむマダムを振り切り、馬車に乗ってパリ市内まで戻ることになりました。階段を駆け下りる時、片方の靴を落としてしまいました。時計を見ると12時。あはは、シンデレラおやじじゃありませんか! そうやって、毎朝、夢から覚めるのです。それからいつもの日常が待っているという次第です。
 
さて、今日はセネガルを代表する料理「マフェ」をご紹介します。ご存じですか? 見た目はカレーにそっくりですが、全然違う。しかし、驚きのおいしさ! 西アフリカに広く見られる家庭料理でして、ピーナツペーストをベースにしたソースが特徴。ソース・アラシッドとも呼ばれています。家庭ではピューレ状に煮込んだソースに米を付け合わせるスタイルが一般的で、日本のカレーライスと同じような盛り付けで提供されます。味付けはトマトの酸味に、ピーナツバターの甘味とコクを。赤唐辛子で辛味をつけると大人の味に。そのセネガル料理「マフェ」を今日は一緒に作ってみましょう。
 
材料4人分:骨付き鶏もも肉4本、玉ねぎ1個、にんじん1本、パプリカ1個、にんにく1片、コリアンダー大さじ2、乾燥タイム小さじ2分の1、ターメリック(ウコン)大さじ1、無糖ピーナツバター大さじ3、トマトペースト大さじ3、チキンブイヨン1個、水1l、牛乳200ml、塩・こしょう少々、サラダ油適量。
 
まず、玉ねぎは粗いみじん切りに、にんじんは長さを3等分して縦半分に、パプリカは縦4等分を1cm幅に切っておく。油をひいた大鍋を中火にかけ、潰したにんにくと玉ねぎを炒める。にんにくの香りが出てきたら鶏もも肉を加え、玉ねぎが焦げないよう気をつけながら皮面によく焼き色をつける。焼き色がついたらターメリックを加え、全体をよく混ぜ合わせる。全体が混ざったら鶏肉を一旦取り出しす。そこに油を足してコリアンダーとタイムを入れ、さらに野菜を加えて全体をなじませる。ここで鶏肉を鍋に戻し、ピーナツバター、トマトペースト、 水で溶いたブイヨン、水、牛乳を加え45分ほど煮込む。ソースにとろみが出てきたら塩・こしょうで味を調え、完成。玄米ご飯との相性抜群です。
 
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