2017/09/17 14:00

脳死、そして決断の時迫る臓器提供。心臓のバトンリレーを描く『あさがくるまえに』

(c) Les Films Pelléas, Les Films du Bélier, Films Distribution / ReallyLikeFilms
(c) Les Films Pelléas, Les Films du Bélier, Films Distribution / ReallyLikeFilms

 夜から夜明けへ。その移ろいゆく夜と朝の狭間がとても美しく、青く、蒼い。その深い青の中で恋人と過ごす静寂の夜から映画が始まる。少年は、彼女が寝ているベッドを抜け出し、夜の町を自転車で疾走する。夜の闇に少年の力強い生命の光が眩しい。やがて少年の疾走に寄り添うようにスケートボードの少年、車の少年と仲間が夜に集う。3人の行き先は海。目的はサーフィン。命の源である海に抱かれるように波に包まれていく3人の少年たち。しかし海からの帰り道、新しい朝とともに交通事故に遭い、ひとりだけ「脳死」との判定を下される。

 その少年の名はシモン。病院からの知らせを受け駆けつける母マリアンヌ(エマニュエル・セニエ)と、いまは別に暮らす元夫ヴァンサン(クール・シェン)。外傷はほとんどなく外見は変わらないが死んでいる。心臓は機械で動かされているだけ。目を覚ます確率は皆無と説明されても納得できない。いちばんつらく気持ちの整理がつかないまま、「臓器提供」の説明がなされる。心臓の期限は長くない。両親は次の朝が来る前に決断せねばならない。

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精神的に落ち着いて過ごせる日。父親に感謝の気持ちをあらわす...もっと見る >