2019/02/18 15:15

周防正行監督が語る伊丹十三監督の凄み 「狭く撮る」の極意

伊丹さんの姿を間近で目にした周防監督。彼が気づいた伊丹映画の核心とは果たして何だったのでしょうか。

「たとえば……昔の浅草六区の街をセットで再現するとします。ただ、街全体の再現に走ってしまうと、建物や小道具のひとつひとつが安っぽく見えてしまう。どうしても、予算が限られていますからね。手が回らない。でも伊丹さんならば、浅草のセットをあえて『狭くする』、あるいは『狭く撮る』と思うんです。実際に、マルサの女はそのようにつくられていましたから」

その具体例として周防監督が挙げるのが、マルサの女の冒頭シーン。雪降る街中の寂れた病院の中で、若い女性看護師と患者の老人が「戯れて」います。実はこのシーン、雪国ではなく、秋口の東京で撮られたもの。ロケ地の廃屋にあったブロック塀や手すりを構図の中に組み込んで、あえて狭い空間にして、その狭い画の中だけには雪の降り積もる世界をつくり上げました。

「これを狭く撮らずに、セット全体で雪が降っているように見せようとすれば、非常に大掛かりになってしまいますよね。しかも、予算が限られているわけですから、広い場所で勝負すれば、安っぽくならざるをえない。でも、伊丹さんは狭く撮ることで豊かな画をつくり上げたのです。病院の外側にある階段の手すり、そこに降り積もる雪を、とても細かく、時間をかけて再現していました。

今日の運勢

おひつじ座

全体運

落ち着いた気分で過ごせる一日。今やっていることを振り返り、...もっと見る >