2019/04/08 15:21

伊丹十三監督 入念すぎるリサーチが作品にリアリティを与えた

『ケトル VOL.47』(伊丹十三特集号 太田出版)
『ケトル VOL.47』(伊丹十三特集号 太田出版)
昭和から平成にかけて、数多くのヒット映画を作った伊丹十三監督ですが、中でも大きな話題になったのが『マルサの女』です。同作は、仕事一筋の国税女性査察官・板倉亮子(宮本信子)と、脱税を繰り返すラブホテル経営者・権藤英樹(山崎努)の攻防がもたらす悲喜こもごもを描いた物語。今作のヒット以降、「マルサ」という単語が一般的になり、『マルサの女2』『ミンボーの女』『スーパーの女』など、“女シリーズ”も生まれました。

かねてより“お金”をテーマにした映画を撮りたいと考えていた伊丹さんは、『お葬式』の大ヒットによって多額の税金を国に納めたことをきっかけに、国税査察官を主人公にした脚本を書くことを決意。マルサと脱税者、双方の視点を巧みに組み込むことで、お金を巡って必死に駆け引きする人間の滑稽さを見事に描き出しましたが、成功は入念な下調べがあってこそのものでした。

例えば『マルサの女』に登場する脱税の手口は、どれも思わず笑ってしまうほど巧妙、かつ「脱税のプロ」じゃないと到底思いつかないような手段です。それもそのはず、そういったやり口は実際の査察官や税関係者に対して取材を行い、入念なリサーチのもと製作されたものでした。

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