2017/05/16 01:00

土屋太鳳のゴリ推しヒロインにうんざり…少女マンガ実写映画の量産、同じ顔ぶれ続く

2008~2014年まで講談社のマンガ誌「デザート」に連載され人気を博した少女マンガ『となりの怪物くん』(ろびこ、全13巻/講談社)の実写映画が制作発表された。菅田将暉(24)と土屋太鳳(22)によるW主演だ。“出すぎ”感の否めない菅田、そして少女マンガのヒロイン役に抜擢され続けている土屋というキャスティングに、うんざりの声が上がっている。

土屋太鳳は05年にオーディションで審査員特別賞を受賞し、芸能界入り。08年から2年ほどティーン女子向けファッション誌「Hana*chu→」(主婦の友社)の専属モデルを務め、女優としては11年放送のドラマ『鈴木先生』(テレビ東京系)で業界内の注目を浴び、14年のNHK朝の連続テレビ小説『花子とアン』にて顔と名前が世間にも広まり、15年の同枠『まれ』主演によってブレイクした。以降は、主演作が引きもきらず、特に映画では少女マンガ実写作品の主演(ヒロイン)役が続いている。

少女マンガを原作とした実写映画が量産される背景には、若手女優と若手俳優のプロモーションのためという意図だけではなく、安い制作費のわりには観客動員が出来、そこそこの興行成績を上げることが可能だという事情があるそうだ。

「ターゲットは基本的に10代の女性。一人で映画を見ることはほぼない層で、つれだって鑑賞してくれる。キャストはほぼ若手で揃えられるので出演料が安く抑えられるうえ、学校を舞台にしたものが多く派手なロケは必要ないので低予算で制作できます。それでいて興業収入10億はかたいので、どこもとりあえず作っておきたいコンテンツなんです。少年マンガの実写映画作品は派手なアクションやCGをウリにして莫大な制作費がかかるものが多いのと対照的です」(映画PR会社社員)

しかしいずれの作品も、果たして他の若手女優ではなく土屋が演じる必然性があったのかというと疑問符がつく。特に原作マンガを愛読するファンからすれば当然、異論は出るもので、こう次々に<土屋太鳳主演>と発表されれば、キャスティングに熟慮の気配を感じるのも難しい。もちろんそれは土屋に限った話ではないが……。

ちなみに、『orange』(15年12月公開/東宝)のヒロイン・菜穂は「家事が趣味」で炊事や裁縫が得意な女子高生で、臆病でおとなしく控えめな性格。続く『青空エール』(16年8月公開/東宝)で演じた小野つばさは吹奏楽部の気弱な女子高生。『PとJK』(17年3月公開/松竹)では警察官と極秘結婚する女子高生・本谷歌子を演じているが、こちらは素直で明るく積極的な役柄だった。さらに『兄に愛されすぎて困ってます』(17年6月公開予定/松竹)の橘せとかは、可愛らしく性格も良くてモテてモテて困っちゃう状態の女子高生。『8年越しの花嫁』(17年冬公開予定/松竹)は少女マンガ原作ではなくノンフィクション本原作だが、結婚直前に難病が発覚し意識を失う花嫁の役だ。そして『となりの怪物くん』で演じる水谷雫は、クールで友達がいない、勉強が得意で運動音痴な女子高生役である。描かれる内容は、いずれも若い男女の恋愛だ。

マンガは「絵」であり、ヒロインは極端に童顔だったり華奢だったり可愛いルックスで描かれるのが常。実写化で再現するには無理がある。また、『兄に愛されすぎて困ってます』は4月からまずドラマ版が放送中(日本テレビ系)だが、4月20日~4月23日に開催された第9回沖縄国際映画祭でドラマ特別編集版が上映された後に舞台挨拶に登場した土屋は、出演オファーを受けた際に「私は原作のせとかちゃんと外見や性格も真逆なので、原作に失礼になってしまわないかなとか。台本に描かれた原作のせとかとはるかの絵を見るたびに『ど、どうしよう…』と思っていた」とプレッシャーを明かしていた。土屋本人の耳にも原作ファンのブーイングは届いてはいるのだろう。

土屋太鳳が主演を張りすぎることで、視聴者層からの「いい加減にしてほしい」「土屋太鳳が嫌いになりそう」「ゴリ推しされすぎて嫌いになってしまう」という声も少なくないが、この現象に既視感を覚える人は多いのではないだろうか。剛力彩芽(24)が出ずっぱりだった11~14年頃の状況に似ているのである。剛力の場合は映画は少女マンガ原作の映画主演は『L♥DK』(14年4月公開/東映)の1本だけだったが、とにかくCMとテレビドラマ主演があまりに多かった。現在は深夜枠のドラマでの主演が増えており、CMも減ったことで以前ほど“ゴリ推し”の空気はないが、所属事務所こそ違えど土屋も同じ道を歩かされているのだろうか。このままではタレントイメージとしての好感度は高いはずなのに、実際のターゲット支持率は低いという不思議な状態に陥りかねない。やたらと主演作品を作ってハクをつけるよりも、「ハマっている!」と評価される代表作を持てるような取り組み方をさせたほうが後々のために良いかもしれない。

(犬咲マコト)

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