2017/10/31 21:50

“デプレシャンの亡霊たち”が織りなす豪華なアンサンブル[最速レビュー!東京国際映画祭]

ワールド・フォーカス部門『イスマエルの亡霊たち』/[c]2017 Why Not Productions – France 2 Cinéma
ワールド・フォーカス部門『イスマエルの亡霊たち』/[c]2017 Why Not Productions – France 2 Cinéma

過去と現実を往来し、映画と現実さえも往来する、いくらでも遊びの利く題材ではあるが、荘厳な雰囲気に留まってしまい、妙に外連味に欠けた印象を受けてしまうのは、アルノー・デプレシャンという作家の生真面目な一面が出ているのだろうか。近作はわりと小ぢんまりとした作品が多かったデプレシャンが、突然自由な発想で『イスマエルの亡霊たち』を紡ぎ出し、豪華なキャストのアンサンブルを導いた。

新作の撮影を控えた映画監督のイスマエルの前に、20年以上前に失踪した妻カルロッタが現れる。彼女を死んだものだと思いつづけ、新しい恋人シルヴィアと過ごしていたイスマエルは、この再会に狼狽し、動転する。そして奇妙な三角関係になるかと思った矢先、シルヴィアは去ってしまうのである。

死んだはずの妻が現れたというプロットに“亡霊たち”のタイトルであれば、巧妙な亡霊譚になるのではと期待してしまったが、どうやらこの映画には明確な亡霊は登場しない。では“亡霊たち”とは何を指すのか。この物語を主人公イスマエルを軸にして観るとすれば、彼を取り巻く人物が“亡霊たち”に当たるということだろうか。元妻カルロッタに、新しい妻シルヴィア、女優のフォニア(劇中劇ではアリエルという役を演じる)、元妻の父で著名な映画監督のアンリに、劇中劇の主人公に投影させられた弟イヴァン。

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不安から暴走してしまうかも。自分がダメだと思ったら、親しい...もっと見る >