2017/12/16 14:00
【筋肉少女帯 ライヴレポート】『New Album「Future!」発売記念「一本指立ててFuture!と叫べ!ツアー」』2017年11月16日 at EX THEATER ROPPONGI
大槻が右手人差し指を一本立てて幕開けたステージの1曲目は、アルバムと同じく「オーケントレイン」。 大槻曰く“トレインもの”というファンクな本作で“苦しみの根源は執着です”と言ってのけるが、そうと分かっていても捨てられないのが人間の弱さである。未来へ向かう列車に乗せて120パーセント前向きなメッセージを放つと同時に、ド正論で逃げ道を塞いで聴く者をギクリとさせる彼の出で立ちは、お馴染みの特攻服ではなく黒スーツ。しかも、背中には“南無阿彌陀佛”の刺繍文字が輝いているのだから、得体の知れぬ有り難味が満点だ。また、どんなに逃げても箱の中と叫ぶ「人から箱男」などは、釈迦の掌から逃げられない孫悟空を彷彿させたり、とかく彼の歌には仏教的な哲学が漂う。内田雄一郎(Ba)が鳴らすピンクレディー「UFO」のイントロに乗って、アラフィフ以上にはお馴染みのフリを繰り出しながら歌う「新興宗教オレ教」も、それゆえに笑い事では済まない凄味を感じさせるのだ。