2017/05/27 07:00

野村萬斎 年齢を否定せず年相応に時分の花を咲かせたい

映画『花戦さ』でいけばなの名手を演じる
映画『花戦さ』でいけばなの名手を演じる

 昨年、大ヒットした映画『シン・ゴジラ』でゴジラのモーションキャプチャーを担当し、話題を呼んだ野村萬斎(51才)。彼が映画『花戦さ』(6月3日公開)で演じたのが、戦国時代に実在した“いけばな“の名手・池坊専好だ。狂言師はもとより、俳優として注目を集め続ける彼に、話を聞いた。

 物語の主要素材である、花への思いは、「母方の祖母が、池坊の花をやっていた」(野村萬斎、以下「」内同)こともあり、はさみの持ち方、切り方、枝のたわめ方などに苦労することはなかった。

 花といえば、室町時代に能狂言を完成させたといわれる世阿弥の著書『風姿花伝』は、観客に感動を与える芸の力を「花」として表現している。能という芸能の奥義である「まことの花」は、心に秘めての努力、精進、工夫し続けることから生まれるもので、一時の美しさや華やぎではないと説いている。この花をさらに人の生き方に重ねて、萬斎は言う。

「花もさまざまで、美しい花もあれば、毒やとげを持っている花もある。そんな花でも、花は花であって、無心に咲いている花に優劣はないと思うんです。今を盛りと華麗に咲き誇る満開の桜も、苔むした地に隠れるように咲く一輪の野の花も、朝もやの中に咲く幽玄の花も、盛りを過ぎて古木に咲く花もそれぞれに美しいと、私は思っています」

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