2017/11/28 16:00

映画『全員死刑』監督「観客が被害者目線に立つ必要ない」

『全員死刑』の小林勇貴監督
『全員死刑』の小林勇貴監督

 町山智浩氏、水道橋博士氏らが絶賛し注目を集めている映画『全員死刑』(全国公開中)。原作は福岡県で起きた4人連続殺害事件で、父、母、兄とともに逮捕され全員死刑判決となった一家の次男による犯行手記を基にしたノンフィクション『全員死刑』(鈴木智彦著、小学館文庫)だ。なぜこれほどの凶悪事件を映画化したのか。これが商業映画デビュー作となる27歳の小林勇貴・監督に聞いた。

「一家が全員死刑になるというインパクト、犯行計画そのものの大雑把さ、そして人はなかなか死なないという意外性。監督として映画を撮る前から、この作品をいつか映画化したいなと思っていました。たとえば、殺される被害者が『殺すから頭を出せ』と言われて本当に出してしまうとか、言葉は悪いけどそのまま再現したらコミカルになりすぎてしまう。原作よりも怖いほうに演出しないと、コミカルになってしまう。それがかえってこの事件の凄まじさを表しています。

 もう一つは、(原作の)鈴木智彦さんという作家のポジション取りですね。この本は犯行手記パートと著者解説パートが分かれていますが、犯人の手記が熱くなればなるほど、それを受けた鈴木さんの分析は冷めていく。本人が燃えているときに、いや現実に起きたことはこんなもんだよってさらっと突き放すんですね。

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