2017/08/18 06:00

山崎賢人、東方仗助役を演じる苦悩と葛藤ーー『ジョジョ』で見せた“探り”の演技の魅力

 「完成度の高さは、皆さまの予想を超えてきます」(ジャパンプレミアへのビデオメッセージより引用)。8月4日の公開直前に原作者の荒木飛呂彦はこう太鼓判を押した。

参考:山﨑賢人が見せた、陰影に富んだ身体の魅力ーー『好きな人がいること』をどんな結末に導く?

 確かに映画は出だしから快調なスタートを切っている。撮影地であるスペインの港町シッチェスのロケーションの魅力はさることながら、ワンカットワンカットが見事な画面設計でテンポよく運ばれていく。いかにも平和そうな街並は「住んでみたい町ランキング」の上位に認定されてはいるものの「不良」がいてもおかしくはないという設定である。この「杜王町」に引っ越してきたばかりの広瀬康一(神木隆之介)が颯爽と自転車を走らせている。神木のイメージ通り気弱そうな少年はやはりリーゼント頭の不良たちに行く手を阻まれる。一触即発の状況。そこへさらなるリーゼント頭の少年が登場する。彼は意外にもすんなり通りすぎていくのだが、先の“ミニ”リーゼントの不良どもにその強烈な“ボンバー”リーゼントをからかわれ、火に油が注がれる。そこで「スタンド」と呼ばれる形ある特殊能力を発揮する東方仗助(山崎賢人)は、たちまち敵を打ちのめしてしてしまう。映画の摑みとなる仗助の登場からこのノックアウトまでをわずかなカット数で片付けてしまう三池崇史監督の手際のよさが凄い。開巻早々のアクション・シーンの正確さは熟練の「職人監督」が得意とするところでもある。
 
 こうしてさりげなくもインパクトのある正確無比な演出によって山崎賢人は圧倒的な存在感を放ちながら登場する。しかしそんな清々しさとは裏腹に山崎には演技面での「苦悩」があったようなのだ。監督のインタビューを引用してみる。
 
「他の作品での彼とは明らかに違うから、山崎くんなりにすごく苦労はしていると思うんです。(中略)訓練して声色を変えて仗助に似せているっていうよりも、なんとか仗助に近付こうとしている、探っている。極端に言えば、本番の撮影で探していて、僕はそれもいいと思う」(劇場用パンフレットより引用)

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