2017/10/07 18:17

【映画コラム】果たして前後篇にする必要があったのか…『あゝ、荒野』前篇

(C)2017『あゝ、荒野』フィルムパートナーズ
(C)2017『あゝ、荒野』フィルムパートナーズ

 寺山修司の長編小説の舞台を、1960年代後半の新宿から2021年に移して映画化した『あゝ、荒野』 前篇が公開された。(後篇は21日公開)。

 共に孤独な日々を送る新次(菅田将暉)と建二(ヤン・イクチュン)が出会い、プロボクサーの新宿新次とバリカン建二となって固い絆で結ばれていくが…というのが大筋。

 前後篇合わせて5時間余の大作で、菅田とヤンがボクサーの体に成り切って、すさまじいファイトシーンを見せる。菅田は汚れ役に果敢に挑み、ヤンは『息もできない』(08)で見せた暴力的な男とは違う、優し過ぎる内気な男の役を好演している。

 さて、こうした役者が体を張った映画はなかなか批判しにくいものがあるのだが、あえて言わせてもらえば、まず、目をむき、怒鳴り散らすことが豊かな感情表現だと勘違いしているのではないか、と感じさせられるシーンが多々ある。

 岸善幸監督は「激しいボクシングとセックスのシーンを通して“人とつながること”を表現したかった」と語っているが、果たして寺山はそんなことが言いたかったのだろうか、これは作り手の独りよがりの解釈ではないのか、という気がした。

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