2018/04/27 21:27

【映画コラム】人が人を恋する感情を丁寧に描いた『君の名前で僕を呼んで』

(C)Frenesy, La Cinefacture
(C)Frenesy, La Cinefacture

 1983年、北イタリアの避暑地。17歳のエリオ(ティモシー・シャラメ)は、考古学者の父(マイケル・スタールバーグ)を手伝いに来た24歳の大学院生オリヴァー(アーミー・ハマー)と恋に落ちる。男性同士のひと夏のエピソードを描いたラブストーリー『君の名前で僕を呼んで』が公開された。

 オリヴァー役が女性なら、よくあるティーンエージャーと年上の人との切ない恋物語だが、本作は、男同士の恋という点で異彩を放つ。

 アンドレ・アシマンの小説を基に、自らも同性愛者のジェームズ・アイボリーが脚色しただけに心理描写が細かい。その脚本を、監督のルカ・グァダニーノの繊細な演出をはじめ、サヨムプー・ムックディプロームの自然光を生かした撮影、適切な音楽の挿入など、スタッフが美しい映画として完成させた。特に男性美を表す彫刻をちりばめたオープニング、2人のちょっとした仕草や、互いに交わす目線が印象的だ。

 ただ、例えば女性同士の恋を描いた『キャロル』(15)などにはあまり違和感を抱かないのに、『モーリス』(87)、『ブロークバック・マウンテン』(05)、『ムーンライト』(16)など、男同士の恋(特にラブシーン)には、正直なところ、見ていてどうにも居心地の悪さを感じさせられてしまうところがあった。

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