2018/05/13 18:00

【ライブリポート】佐藤流司バンドプロジェクト、The Brow Beat初の日比谷野外音楽堂ライブで見せたロック魂

The Brow Beatによる日比谷野外大音楽堂でのライブの様子
The Brow Beatによる日比谷野外大音楽堂でのライブの様子

 2018年1月17日からスタートした「The Brow Beat Live Tour 2018 “Ragnarök”」で鮮烈な印象を残したThe Brow Beatが、5月3日、ついに日比谷野外大音楽堂の舞台に立った。The Brow Beatは、2.5次元舞台や映像作品などを中心に活躍する俳優・佐藤流司がアーティスト「Ryuji」として、PENICILINのHAKUEIをプロデューサーに迎えて結成したバンドプロジェクト。今回は、「Extra“Ragnarök”~Welcome to after party at 野音~」と題されたライブの模様をリポートする。

 前回のツアーでは、初ライブとはとても思えないパフォーマンスでファンを魅了し、ロックを体現してみせたRyuji。そのツアーから3カ月。Ryujiが念願だと語る日比谷野外大音楽堂は、開演前から熱い熱気に包まれていた。

 この日のオープニングナンバーは「日本」。アッパーチューンの楽曲で会場を一気に盛り上げ、「ジセイノク」へと飛ばしていく。The Brow Beatにとって、この日のライブは初の野音であり、この規模の会場でのライブも初めてだ。しかし、ステージ狭しと右に左に駆け回り、観客をあおり続けるRyujiからは、そんなことはみじんも感じられない。

 続くMCでは、「俺、今日が一生忘れられない思い出になると思う」と野音への思いを語ると、「皆さんが緊張している」からと突然のクイズタイムに。「カツオくんとワカメちゃん、タラちゃんが買い物に行きました。店員さんがなぜかワカメちゃんばかりに商品を薦めます。なぜでしょうか?」。激しく歌い、観客を沸かせながらも、MCでは自由過ぎるトークを展開するのもRyujiの魅力。ブラックな発言と、独特のワードチョイスが持ち味のRyujiのMCに、観客も大盛り上がりで、あちこちでクイズの答えを予想する声が上がる。

 「カイソウだから」というクイズの答えを明かすと、そのまま「アイリス」を思いを込めて歌い上げる。さらに、「声を出していこうぜ」とあおりつつ「Scarlet Syndrome」。そして、ロックバラードの「unlost」では、しっとりとした歌声を響かせた。

 実は、ライブ数日前まで、天気予報では雨とされていたのだが、ふたを開けてみれば、暑いほどの1日だった。どうやら雨を望んでいたらしいRyujiはMCで「雨、降れってんだよ」とぼやいて会場を笑わせつつ、今回のライブでは「トランプをイメージして」メンバー全員がフェースペインティングを施したと話す。ちなみに、Ryujiはスペード、サポートメンバーの鳴風(G)はダイヤ、CHIROLYN(B)はハート、かどしゅんたろう(Dr)はクローバーが描かれている。

 さらにRyujiは、hide没後20年のメモリアルライブイベント「hide 20th memorial SUPER LIVE『SPIRITS』」を見に行ったことを明かすと、CHIROLYNが所属するhide with Spread Beaverの「ピンク スパイダー」を演奏。数々のアーティストがカバーしてきた楽曲だが、The Brow Beatが奏でるこの曲は“原曲に限りなく近い”印象を受ける。そこにはRyujiのhideに対する尊敬と愛を感じる。そして、それを違和感なく歌いこなすRyujiの歌声に驚く。

 ここで、プロデューサーのHAKUEIがゲストボーカルとして登場。「ライチ☆光クラブ」の「凶星エクスタシー」をRyujiとのデュエットで聞かせると、5月1日に配信したばかりの新曲「CLOWN」を初披露。ロックの中にもジャジーな雰囲気が漂う曲に、観客の体が大きく揺れた。

 続いて、メンバーコールから「Black & Black」へとなだれ込む。Ryujiがシャウトし、HAKUEIが会場をのせ、ボルテージは最高潮に。「まだまだ終わらないぞ」というRyujiの声とともに「パラノイド・スター」と畳み掛け、本編ラストは「Browbeat」。会場に金テープが飛び交い、ファンの笑顔がはじけた。確かな歌唱力と、激しいパフォーマンスで終始、観客を引きつけたRyuji。圧倒的な存在感でステージに立ち続けたRyujiの姿は、まさにロックスター然として、輝いていた。

 アンコールでは、一転して、アコースティックタイムに。ツアー中から、アンコールでは気ままなトークが展開されて、ファンを楽しませていたが、この日は「子どもの頃の思い出」をトークテーマに話が進んだ。話題を振られた鳴風は、「猫を拾った。名前はミヤ。冬だったから、フードの中に猫を入れて連れていた」というほのぼのとした思い出を紹介。すると、猫好きとして知られるRyujiもたまらず「私も猫を飼っているんですけど…」と話し出し、「今日、出てくるとき、頑張れよって背中を押してくれました。爪が立っているんで血がちょっと(出た)」というエピソードを披露した。

 さらに、小学生のときの学芸会の話から「人とのつながりを再確認するライブにしたい」と締めくくると、中島みゆきの「糸」を情感たっぷりに聞かせる。そして、CHIROLYN、かどしゅんたろうが加わり、hide with Spread Beaverの「ROCKET DIVE」。会場にはファンのクラップが響き渡り、熱い一体感を感じさせた。

 歓声に応えて行われた2度目のアンコールでは、「新曲が1曲だけというのも味気ないと思うのでもう1曲」と「仮面の告白」がサプライズで演奏された。美しくも切なく、一度聞いたら耳から離れないメロディーが印象的な楽曲だ。王道ではあるものの、The Brow Beatにはこれまでなかったタイプの楽曲でもあり、新鮮さが際立つ。

 その後、ドンペリのピンク(高級シャンパン)を持って登場したHAKUEIが「The Brow Beatを応援してくださっている皆さんのために開けたいと思います」とシャンパンで恒例のお祝い。シャンパンを一気飲みしたRyujiは「せっかくなので野音をぶっ壊して帰りましょう! こよい、一つの歴史ある建造物がなくなります。ぶっ壊す、準備できていますか?」と客席を盛り上げると、ファンのテンションは爆発する。「日本」「アイリス」とラストまで一気に駆け抜けた。

 “俳優・佐藤流司”が「舞台」で見せるパフォーマンスでも歌でもない、ミュージシャン・Ryujiのロック魂が際立ったこの日のライブ。Ryuji自身が全力で楽しみ、ステージを堪能していることを肌で感じられ、観客たちも終始熱い思いがあふれ出していた。この夜の余韻は胸に残り続けることだろう。

(取材・文/嶋田真己)


The Brow Beatによる日比谷野外大音楽堂でのライブの様子

【セットリスト】
1、日本
2、ジセイノク
~MC~
3、アイリス
4、Scarlet Syndrome
5、unlost
~MC~
6、ピンク スパイダー(hide with Spread Beaver)cover
7、凶星エクスタシー(ライチ☆光クラブ)cover
8、CLOWN
—Member Call—
9、Black & Black
10、パラノイド・スター
11、Browbeat
—ENCORE1—
~MC~
1、糸(中島みゆき)cover
~MC~
2、ROCKET DIVE(hide with Spread Beaver)cover
—ENCORE2—
~MC~
1、仮面の告白(新曲)
~MC~
2、日本
3、アイリス
「CLOWN」「仮面の告白」はiTunes Store他、国内主要サイトにて配信中。


The Brow Beatによる日比谷野外大音楽堂でのライブの様子


The Brow Beatによる日比谷野外大音楽堂でのライブの様子


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