2017/06/13 17:00

“世界で一番臭い魚”の“奥深さ”――高野秀行のヘンな食べもの

©イラスト 小幡彩貴
©イラスト 小幡彩貴

「世界一臭い食べ物」こと、シュールストレミング。塩漬けのニシンを発酵させたこの缶詰を食べるパーティを行ったのだが、一年の常温放置がたたり、発酵が進みすぎて中身が完全に溶けて空っぽになっていた――というのが前回の話。

 悔しいので、ネット通販で新たに缶詰を入手し、リベンジ大会。場所は前回同様、荒川沿いのバーベキュー場。二回目なので手際よく缶詰を開けると、魚がちゃんと詰まっていたが、今度は別の意味で驚いた。

「あれ、臭くない……」

 前回は「排泄物の匂い」とか「人間の本能に訴える危険な匂い」と顔を歪めていた友人たちが「今日のは臭いけど食べ物の匂いって感じがする」と口を揃える。前回の缶詰はどうやらスウェーデン人も経験しないほどの過剰発酵で、悪臭もマックスだった可能性が高い。

 といっても、今回の缶詰もタダモノじゃない。瞬時にどこからともなく、巨大な黒いハエの群れがブンブン押し寄せてきたのだ。東京でこんなハエを見たことがない。しかもハエは焼肉など他のパーティ料理には一切近寄らない。発酵魚のみ。やはり腐臭がするのか。

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