2017/06/29 11:00

白ワインと相性抜群“水なす”の季節――平松洋子の「この味」

©下田昌克
©下田昌克

 梅雨の時期になると食べたいのが水なす。

 生のまま囓ると、頼りないくらいさくさく柔らかく、しかし、じゅわっと水気が迸(ほとばし)る独特の風味がくせになる。大阪泉州特産で、最初は「これ珍しいですよ、いっぺん食べてみて」と誰かに数個分けていただいたのがきっかけだったと思う。

 とりあえず何でもそのまま囓ってみたいクチだが、水なす以外のなすを生で食べようという気にはなかなかならない。皮の硬さやあくの強さは置いておくとして、なすはやっぱり相手を得ておいしくなる。油とか味噌とか醤油とか塩とか、煮るとか焼くとか揚げるとか。性格のいいアニキみたいにホイホイ何でも引き受けちゃあ、いっぱしの味に仕上げるところがなすのすごさだ。

 いっぽう、水なすは楚々とした淡味が身上だ。そのまま食べると梨っぽい水気に驚くのだが、果物ほど甘みはない。炊くとぐずぐずにへたるので、やっぱり生食向き。かつて農作業の合間、水分補給のためにもいで囓っていたと知ると、おおいに納得する。喉が渇いたときの、水がわりの野菜。役立ち方がかなりシブい。

今日の運勢

おひつじ座

全体運

身勝手にふるまってしまいそう。しばられたくなくても、場の調...もっと見る >