2017/07/18 17:00

“魚界のスタープレーヤー”ナマズ肉の“爆発”料理――高野秀行のヘンな食べもの

イラスト 小幡彩貴
イラスト 小幡彩貴

 ナマズというのは滑稽な魚だ。ヘンな髭が生えていて、「地震を起こす」などという古い伝説も畏怖の念とは無縁、単にマンガのネタにされているだけ。食べたり飼ったりする人もあまりいない。

 昔は全国で普通に食されていたらしいが、田んぼで農薬が使われ、河川がコンクリートで固められたりすると数が激減。さらに全国で流通が発達し、内陸部でも海の魚が圧倒的にポピュラーになると、どうしても川魚は「泥臭い」と敬遠されてしまう。かといって、ウナギのようなプレミア感はない。だいたい、ナマズ食における最大の障壁が、「共食いをするため養殖できない」というのだから、それも間抜けだ。

 現在では群馬県板倉町などで細々と郷土料理としてナマズの天ぷらなどが食されている程度である。

 しかし、東南アジアでは状況は全く異なる。タイでもミャンマーでもベトナムでも、伝統的には魚といえば、海魚より淡水魚だ。熱帯雨林気候帯をゆったり流れるメコン川やチャオプラヤー川、イラワジ川にはナマズがわさわさ棲んでおり、いまだに養殖の必要などない。滑稽なイメージもなく、むしろ“魚界のスタープレーヤー”と呼んでもいいほど。当然、ナマズ料理も盛ん。例えば、ミャンマーの国民的な麺料理モヒンガーはナマズでダシをとったものが「本物」とされている。

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