2017/12/05 17:00

“標高高い系”のお洒落ヘルシー・モルモット・ランチ――高野秀行のヘンな食べもの

イラスト 小幡彩貴
イラスト 小幡彩貴

  クイ(テンジクネズミ=モルモット)の串焼きを食べに行った話 のつづき。

 ランチの準備が始まったのは朝の八時半。ファビオさんは小屋の脇の野外キッチンで焚き火を起こす。次に小屋に入り、生後四十五日のタイプ【1】(標準)と大柄の生後三カ月のタイプ【2】(渦巻き状の体毛)を捕まえた。籠に入れると、焚き火のところにもっていく。

 籠からクイを取り出し、足と頭をもってキュッとひっぱって捻った。これでネズミは即死。ファビオさんはクイを東に向けている。「クイは死ぬとき太陽の方を見ようとするから、見えるようにしてやるんだ」

 さらに彼は不思議な行動に出た。模様の描かれた赤い布を地面に敷き、二匹のクイをそこに横たえると、上からタンポポのような黄色の花を散らした。美しい。

「こうすると、最後までよく世話したことになって、肉もおいしくなるんだ」

 後で訊けば、アンデスでは牛でも羊でも、屠畜するときは必ずこのようにするという。犠牲になった動物と恵みを与えてくれた神様に感謝するという意味らしい。生活の中に自然へのリスペクトがある。

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