2017/08/13 12:00

個性派レストランやショップが連なる 「湘南ビール」の緑あふれるブルワリー

 夏本番、ビールのおいしい季節の到来です。都内のビアガーデンもいいけれど、少し足をのばして、クラフトビールのブルワリーを訪れるワンデイトリップへでかけませんか。出来たてのフレッシュなビールを味わえるのはもちろん、ビールに合う料理を楽しめるレストランを併設している、この夏絶対訪れたい人気銘柄のブルワリー3軒をセレクト。夏の昼下がり、最高の乾杯! を求める旅へ、いざ。

Vol.03_湘南ビール(神奈川県・茅ヶ崎)

 フレッシュなビールとおいしいフードのペアリングを求めて――。レストラン併設のブルワリーを巡る夏旅を提案するこちらの特集。最終回となる今回は、湘南に残された最後の蔵元、熊澤酒造が手がける、神奈川県・茅ヶ崎「湘南ビール」のブルワリーが舞台。裏山と一体化した、自然たっぷりの開放的な空間で、夏の太陽とビールを楽しんで。

グリーンあふれるブルワリーで
“湘南スタイル”なビアタイム

 創業は明治5年。今では湘南唯一の蔵元となる熊澤酒造がビール作りをはじめたのは1996年。以来、湘南という地域に根ざした、「地元の誇りになるようなビールを作りたい」というモットーは変わらない。


入ってすぐ右手にあるのが醸造所。見学は応相談。必ず、事前に連絡を。

 豊富なラインナップで知られる「湘南ビール」だが、それまでは、老舗の蔵元らしく、伝統的なドイツスタイルのビール作りを行ってきた。ターニングポイントは、世界最高峰のワールドビアカップを受賞したとき(なお、これまで5度の受賞歴を持つ)。授賞式で訪れたアメリカで世界の多種多様なビールにふれ、より自由なビール作りがはじまった。

 現在は、ベルギースタイル、フルーツや地産の食材を使ったもの、海外のブルワリーとのコラボビールなども手がけ、そのラインナップは40~50種類にも及ぶ。新しいビールのアイデアは、ほぼブラウマイスターからの提案だとか。


人気の5種。左より:アルト、ピルスナー、ベルジャンスタウト、IPA、シュバルツ 各300ml 540円。

 そのすべてが、ろ過や加熱殺菌をしないピュアなビール。それ故に、品質保持期間は製造日より60日と短めだが、生きた酵母が醸し出すフレッシュなビール本来の風味は何物にも代え難いおいしさ。


神奈川の地名にちなんだオリジナルラベルも人気。左より:「大磯ビール(ピルスナー)」、「江ノ島ラベル(アルト)」、「大仏ビール(シュヴァルツ)」 各300ml 540円。

 ブルワリーは大正時代より酒蔵として使われていた場所に佇む。中央のテラス席を囲うように、趣の異なるレストランとショップが5軒連なる。昔の名残が残るレトロなムードと裏山の大自然がもたらす開放感とあいまって、まるでタイムトラベルしたような感覚に。


中央のテラス席。屋外で飲むビールも最高!


緑豊かな敷地内。毎年少しずつ木を植え、石を敷き詰めて、現在のような景観を築いたそう。


当時の生活が垣間見える名残が至るところに。ブルワリー内の散策も楽しい。

 2ページと3ページでは、ブルワリー併設のレストランとショップより、トラットリア、ベーカー&スイーツ、ヴルスト カフェの3軒をピックアップしてご紹介。

湘南ビール(熊澤酒造株式会社内)
所在地 神奈川県茅ヶ崎市香川7-10-7
※ビール工場内の見学は応相談。希望する場合はレストラン予約時に相談を。
http://www.kumazawa.jp/

夏の昼下がり
カジュアルに楽しむならこの2軒

「味のバランスを何よりも意識しています」と、六代目蔵元の熊澤茂吉(くまざわ・もきち)さんが言うように、湘南ビールの特徴は完成度の高い、味のバランス。奇抜さや偏った主張をするのではなく、地元の人の日々の生活に寄り添いながら、さまざまな食事に合うビールを目指しているとか。

 そんなフードフレンドリーなビールらしく、ブルワリーには多様なスタイルのレストランとショップが軒を連ねる。

 今回は、そのなかから、3軒をご紹介。まずは、「モキチ ヴルスト カフェ」と「モキチ ベーカー&スイーツ」へ。


平日は地元の人の憩いの場所としても人気。

自家製ソーセージとビールで乾杯!

◆「モキチ ヴルスト カフェ」

 こちらのカフェでは、ビールの相棒として欠かせない、手作りのヴルスト(ソーセージ)が売り! ブルワリー直送のフレッシュなビールと一緒に楽しんで。「食肉文化の発展と向上」をコンセプトに、ドイツ製法に基づき作られたハムやソーセージは、お肉本来の旨みが引き立つ逸品。


天井高の窓から差し込む陽差しとグリーンのコントラストが、夏のうららかなビアタイムを演出する。

 建物は、酒蔵だった場所に、東北地方の古民家(築200年)を移築し、造りあげた趣のある空間。そこに配置されたモダンなインテリアがマッチして、古さと新しさ、そして懐かしさが混ざった、独特の雰囲気が漂う。


自家製シャルキュトリーは、昼から飲むビールに最高のパートナー。ビールは、爽やかな柑橘の甘みが好相性のゴールデンエールをセレクト。美しい黄金色も気分を盛り上げてくれる。ゴールデンエール ショート 590円、ロング 960円、モキチ ヴルスト盛り合わせ 980円。

おいしくって栄養満点!
ビール酵母を使ったパン&スイーツ

◆「モキチ ベーカー&スイーツ」


酒の道具を収納していた土蔵倉をリノベーションした店内。

 カフェとつながるのは、パン&スイーツ工房。ビールの製造工程で残ったロス分として出る、栄養価の高いビール酵母を生かした、手作りパン&スイーツが人気。湘南ビールのボトルも販売しているので、テイクアウトはもちろん、この季節はビールと一緒にテラスで“外飲み”を楽しみたい。


水の代わりに湘南ビールで仕込んだ「パン・ア・ラ・ビエール」は、すぐ売り切れるこちらの名物パン。旨みを感じる味わいは料理に合う食事パンとしておすすめ。300円。


湘南ビールを使用した生地に、レーズンとオレンジピールを入れた「湘南ビールケーキ」はコーヒー、紅茶はもちろんビールとも好相性。チーズやはちみつを塗って、大人のスイーツとして楽しむのも○。熊澤酒造の酒かすを使用した「酒かすパウンドケーキ」とセットで買って食べ比べても。各450円。

 ダイニングは、「モキチ トラットリア」へ。次ページより詳細を紹介。


mokichi wurst cafe
(モキチ ヴルスト カフェ)

所在地 神奈川県茅ヶ崎市香川7-10-7
電話番号 0467-50-0202
営業時間 10:00~17:30
定休日 第3火曜(8・12月除く)
http://www.kumazawa.jp/mokichi/wurstcafe/


mokichi baker & sweets
(モキチ ベーカー&スイーツ)

所在地 神奈川県茅ヶ崎市香川7-10-7
電話番号 0467-52-6144
営業時間 10:00~17:30 ※売り切れ次第終了
定休日 第3火曜(8・12月除く)
http://www.kumazawa.jp/mokichi/baker/

夜はイタリアンとビールの
スペシャルマリアージュを堪能


重厚感のある大きな木のドアに、期待が膨らむ。

 ディナータイムは、湘南ビールのシグネチャーレストラン「モキチ トラットリア」で寛ぐのはいかが。築450年の古民家を移築した建物の、すぐ後ろには裏山が構える。歴史ある設えのなかで自然を感じながら食べるのは、出来たてのビールとイタリアン。


古民家の温もりとモダンなインテリアが上手く折り合い、居心地いい空間に。


無ろ過、無加熱のピュアな湘南ビールをどこよりもフレッシュな状態で味わえるのも最大の魅力。

 フレッシュなビールと滋味あふれるイタリア料理とのペアリングを堪能するなら、その時期おすすめの熊澤酒造のビールや日本酒と旬の一品を味わえる、平日のディナー限定「マリアージュコース」(ドリンク付き6,480円)にトライ。2カ月ごとに内容が変わるので、定期的に訪れる楽しみも。


マリアージュコースより。オマールテールと帆立の炭火焼きと、茅ヶ崎産のお米を使ったライスビール「茅ヶ崎キヌヒカリエール」との組み合わせ。魚介の塩味、コクのあるビスクソースを、ほんのり甘いお米の風味がまとめる。

 オーダーを受けてからピッツァイヨーロが一枚ずつ丁寧に焼き上げる、ナポリスタイルのピッツァもぜひオーダーしたい。自家製の生地は何度も試作を繰り返したというとっておき。かりっもちっと歯ごたえはありながら軽く、いくらでも食べられそう!


熊澤酒造が使っていたお酒の仕込みタンクをかぶせた石窯は特注品。シンボリックな出で立ちで存在感たっぷり。


ピッツァで一番人気のメニュー「ピッツァ 湘南」。具材は、青海苔、しらす、トマト、グラナパダーノ。その名にふさわしく海の香りを感じる一枚。香ばしいにんにくの香りが、食欲のみならず“ビール欲”を刺激することうけあい!

MOKICHI TRATTORIA
(モキチ トラットリア)

所在地 神奈川県茅ヶ崎市香川7-10-7
電話番号 0467-52-6111
営業時間 11:30~15:00(L.O. 14:30)、17:30~22:00(L.O. 21:00)、土日祝11:30~22:30(L.O.21:00)
定休日 第3火曜
http://www.kumazawa.jp/mokichi/trattoria/

文=吉村セイラ,撮影=佐藤 亘

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