2017/09/02 12:00

噂の女性シンガー・脇田もなりが 神田の老舗居酒屋で燗酒に開眼?

vol.01 みますや

明治38年創業のクラシックな店構え

 ファースト・アルバム『I am ONLY』が好評を集めている注目のフィメール・シンガー、脇田もなり。お酒が大好き! だけど酒場ビギナーな彼女が東京近郊の名店を探訪しながら、立派な酒呑みレディへの階段を昇っていく新連載「名酒場 IN THE CITY」スタート!


知る人ぞ知る“飲みカワ”女性シンガー、脇田もなり。現在22歳、好きなお酒はハイボール。

 記念すべき第1回に訪れたのは、千代田区・神田司町。江戸時代は職人・町人が多く住み、明治以降は近隣に学校が多く設立されたこともあり、印刷や製本の工場が軒を連ねていたという。現在は大手企業の本社などがある傍ら、昔ながらの街並みも色濃く残すエリア。

 長崎の五島列島出身で、長く大阪で暮らしていたもなりさん。昨年東京に拠点を移したばかりということもあって、神田のあたりにはほとんど来る機会がなかったのだそう。


みますやは、現存する酒場としては都内最古の建物とも言われる。

「神田が、東京のどこらへんにあるのかもまだわかってないんですけど……」という彼女と一緒にやってきたのは、明治38年(1905年)創業の「みますや」。

 黒く煤けた建物の軒先には赤提灯が下がる、これぞ究極の居酒屋といった風情のお店。早速、縄のれんをくぐってみましょう。


引き戸を開けるとすぐに小上がり席と大きなテーブル席が。奥にも座敷席があり、意外と広い。

「わぁ~、なんか五島列島のおばあちゃんの家を思い出しちゃう」と思わず素朴な感想が漏れてしまうほどに年季を感じさせる店内。入ってすぐの大きなテーブルに陣取って、壁にずらりと掛けられたお品書きを眺めながら、今日は何から攻めようかじっくり考えます。


白い筆文字も美しい、年季の入ったお品書き。

 もなりさん、最初に注文したのは古くからの定番料理「肉豆腐」と「燗酒」という、いきなり渋い組み合わせ。

肉豆腐と燗酒、至福のマリアージュ


肉豆腐 450円。


一人呑みですから、手酌でいっちゃいます。


では、肉豆腐いただきます!

「肉豆腐って、関西だとあまり見ない料理なんですよね。では、いただきます! うーーん、美味しい! 甘い醤油の味付けが大好きなんです。お肉や玉ねぎの旨みもいいし、これはお酒と合いそう!」と、肉豆腐の旨みが残った口の中に、普段あまり飲み慣れていないという燗酒を流し込むと……。


あまりの美味しさに驚くもなりさん。

「あっ、美味しい! ほんのり甘みがあるけど、サラサラしてて後味もすっきりしてますね。これ、肉豆腐と一緒に合わせると最高ですね。ヤバい、どんどん酒呑みの世界に入っていっちゃいそう(笑)」


肉豆腐と燗酒の相性を知って、この笑顔。

 肉豆腐と燗酒のマリアージュでエンジンがかかってきたもなりさん、続いていただくのは「さしみ盛り合わせ」。大ぶりのまぐろ赤身をはじめ、甘海老、数の子、うにまで入った目にも豪華な一皿。


さしみ盛り合わせ 1,800円。

「うわーっ、盛り付けがすごく綺麗ですね! まぐろもこんなに大きい! それにコハダって初めて食べるかもしれない。お魚大好きなんですけど、魚って日本酒とすごく合うんですね」

 そして、お店の名物のひとつ「さくらさし」もやってきました。

馬刺しとハイボールがこれまた合う


さくらさしみ霜降 2,000円。


ズラッと並んだ美味しい料理を前にしてご満悦な表情のもなりさん。

「さくらさしって馬刺しのことなんですね。脂がのってて、すごく美味しい。新鮮で、全然臭みもなくて食べやすいなぁ。これもお酒がすすんじゃう! そろそろ私の大好きなハイボールを頼んでもいいですか?」

 ということで、ハイボールをグイッと呑みながら、美味しい料理に舌鼓。


大好きなハイボールにありつけて、ここからが本番です。

「うーーーん! 馬肉と合わせるとめちゃ美味しい! やっと、いつものスイッチが入った感じです(笑)」

「昔はね、女性のお客さんは縄のれんをほとんどくぐらなかったけど、最近は困っちゃうぐらいに若い女性が増えちゃって(笑)。男の人と変わらないぐらいの量を呑む、すごい方もいますからね」と語るのは、みますやの代表取締役・岡田勝孝さん。

 祖父の代から続くこの店を引き継ぎ、今も毎日元気にお店に立っては、お客さんを迎え入れています。


白衣がよく似合う三代目・岡田勝孝さんとパチリ。

「この店自体は関東大震災で丸焼けになって、しばらくはバラックで営業してたんでしょう。昭和3年に今の店舗に建て直したんです。実はね、この建物も第二次世界大戦の時に、空襲で半分まで焼け落ちたんです。今も焦げた跡が残ってるんだけど、焼け残ったこっち側は運がいいんですよ」(岡田さん)


店の一角には、空襲の爪痕が今も残っている。

「すごいですね! そんな歴史があるお店だったとは。でも、建物の雰囲気もすごくいいし、なんか居心地よくて落ち着いちゃいます」と、この後も腰を据えて呑む気マンマンのもなりさん。初めての名酒場めぐりを終えての感想は?

「みますやさんみたいに渋い居酒屋って、なかなか行く機会がなかったし、料理もどんな感じだろうって想像つかなかったけど、一口食べたら他のどこよりも美味しい! って思える料理ばかりで。見た目がおしゃれとか関係なく、美味しいお店はたくさんあるんだなって気付きました。その中でも、みますやさんはちょっと別格ですね」

サラリーマンやOLたちの楽園


お店に堆積した時間と歴史も味わいながら呑む。

 日が高い時間から呑みはじめていたはずなのに、いつしかあたりも暗くなってきました。

「早い時間からお客さんが入ってたんですけど、だんだんとスーツ姿のサラリーマンの方やOLさんたちで満員になって。みんな仕事帰りに呑みに行くんですね。自分の知らないエリアにも素晴らしいお店がたくさんあるって気付いたし、こういう古い酒場にもこれからどんどん通っちゃうかもしれない! 1人で酒場に通うようになって『脇田もなり、一人で呑んでた!』とかSNSに上げられたりしたらどうしよう? まあ、それぐらい有名にならなきゃですけどね(笑)」

 初回にして超名店の魅力に触れてしまったもなりさん。次に訪れる名酒場はどの街に?


ちなみに撮影終了後も、もなりさんは2時間ほど呑み続けていました!


みますや
所在地 東京都千代田区神田司町2-15-2
電話番号 03-3294-5433
営業時間 月~金曜 11:30~13:30、17:00~23:00(L.O. 22:20)/土曜 17:00~22:00(L.O. 21:20)
定休日 日曜、祝日

文=宮内 健,撮影=石川啓次

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