2017/10/14 12:00

真っ昼間から酒呑みが集う立石で 脇田もなりが珠玉の居酒屋に潜入!

vol.02 二毛作

昼酒の醍醐味を堂々と堪能できる街

 2017年9月8日に行われた初のワンマン・ライブも大盛況だった注目のフィメール・シンガー、脇田もなり。お酒が大好き! だけど酒場ビギナーな彼女が東京近郊の名店を探訪しながら、立派な酒呑みレディへの階段を昇っていく連載「名酒場 IN THE CITY」。第2回はどの街へ?


知る人ぞ知る“飲みカワ”女性シンガー、脇田もなり。現在22歳、好きなお酒はハイボール。最近はいろんなお酒の美味しさに目覚めつつあるとか。

 今回訪れたのは、葛飾区・立石。押上から京成線各駅停車で4駅、今や酒呑みの聖地として知られています。

 昨年東京に拠点を移したばかりのもなりさん、立石に訪れるのはもちろん初めて。真っ昼間から多くの酒場が営業してるだけでなく、行列が出来るほどに繁盛している光景に、ちょっとカルチャーショックを覚えているご様子。


「呑んべの世界」の入口へようこそ。


再開発の計画がすすむ立石駅前。この味のある風景もあと数年で消えてしまうかもしれない。

「本当に昼間から呑んでる人がたくさんいて、立石ってすごいですね。私、こんな早い時間から呑みに来たのは初めてなんですけど、みんながお仕事してる時にごめんなさいって感じ(笑)」

 いえいえ、そんなちょっとした背徳感を味わいながら呑むのも、昼酒の醍醐味というものなんです。


人気の酒場をはじめ、お惣菜屋さんなどが軒を連ねる立石仲見世商店街。

「宇ち多"」「栄寿司」などの人気の飲食店が軒を連ねる立石仲見世商店街を横目に線路沿いをしばらく歩くと、今回訪れる「二毛作」が見えてきます。

 このお店、もともとは仲見世で30年以上続くおでん種専門店が拡張するカタチで、隣の店舗に息子である日高寿博さんが開業したおでん居酒屋。2年前に独立し、現在の場所に移転リニューアルしました(元にあった場所は、現在「おでん丸忠」が営業中)。


2年前に移転リニューアルした二毛作。2階にはイベントができるスペースも。

トマトのスライスが入った
「今ちゃんハイ」とは?


二毛作こだわりのおでん。

 イチ推しはもちろんおでん。お店で手作りした練り物を中心に、大根、じゃがいもなどの定番から、牡蠣やトマト、岩のりといった変わり種も。

 そして店主が厳選した日本酒はもちろん、ヴァン・ナチュールも揃えていたりと、下町の大衆酒場のイメージが強い立石にあって、こだわりが光る名店です。


左下から時計回りに:生姜天 210円、大根 210円、じゃがいも 210円。

 無垢の板で作られたL字カウンターに陣取ったもなりさん。メニューを眺めながら、今日は何から呑もうか迷っているよう。そこでお店の主人である日高さんからオススメされたのが、生トマトのスライスがそのまんま入った珍しい一杯。


左:今ちゃんハイ 660円。
右:初めて見るタイプのお酒に、興味津々のもなりさん。

「ジントニックをベースにして、ライムの代わりにトマトのスライスを入れたものなんです。店では〈今ちゃんハイ〉と呼ばれてます」(日高さん)

 聞けば店の常連さんのアイディアで生まれたお酒で、裏メニューとして定番化したものなのだそう。

「ジントニックは知ってるけど、トマトが入ってるなんて! どんな味か想像つかないけどいただきます……あっ、めっちゃ美味しい! トマトの青臭さは全然なくて、程よく甘みがある。トマトっていうよりフルーツっぽい美味しさですね。どうしよう、これ何杯でも呑めちゃう(笑)」


想像をはるかに超えた美味しさに、この表情!

「呑みながら、中のトマトを食べても美味しいです。これ注文されると、おつまみが一品減るから困っちゃうんですよ(笑)」(日高さん)

米の旨みを感じるどぶろくを
ソーダ割りと常温と熱燗で飲み比べ


いわしの刺身 610円。

 たしかに中に入ったトマトをつまんでるだけでも充分な酒のアテになっちゃいそうですが、せっかく美味しそうなメニューが並んでるので、いくつか料理もいただいてみましょう。最初は「いわしの刺身」から。

「〈いわしの刺身〉は、脂がのってて美味しい! 日本酒と合いそうですね。私、あまり日本酒を呑み慣れてないんですけど、呑みやすいお酒はありますか?」

「生酛(きもと)造りという江戸時代から続く製法で作られた〈生酛のどぶ〉なんかは女性のお客さんにも評判いいですね。辛口のどぶろくなんですが、サラッとした飲み口で米の旨みも感じられる。お燗しても美味しいですし、ソーダで割っても美味しいですよ」(日高さん)


生酛のどぶ ソーダ割り 660円。

 ということで、まずは「生酛のどぶ」をソーダ割りで呑んでみます。


大人のカルピスソーダと言えそうな、さっぱりした飲み口。

「あ! 私、これ好きです! ぱっと見るとカルピスソーダみたいで日本酒とは思えないけど、さっぱりしてるから一瞬で呑み干しちゃいそう(笑)」

 同じお酒を、次は常温で呑み比べ。おちょこでちびちびとやりながら、いわしの刺身もつまんで。そしてまた魚の脂を酒で洗い流すように呑んでみると……。


にごり酒を、おちょこでグイッと。

「常温のお酒は美味しいけどダイレクトにきますね。でも、お刺身と合わせると、また違った美味しさになる! なんか、すごく大人になってきた気分です」

 今度は同じお酒を60度オーバーにつけた、熱々の燗酒で。


厳選した日本酒を、それぞれに適した呑み方で提案してくれる。

女性のおひとりさま客が
下町呑みを楽しむコツは?


生酛のどぶ 熱燗1合 760円。

「熱い! でも、さっきより甘みが増して美味しい。どっちかというと、あったかいお酒のほうが好きかもしれないです。なんか身体も熱くなってきました(笑)」

「最後に店からプレゼントしていいですか? 魚のすり身にパン粉をつけてあげた、オリジナルの〈下町フライ〉。今日はコーンが入ってるんですが、香りと甘さが立ってて美味しいですよ」(日高さん)


下町フライ 460円(通常は2枚)。

「やばーい! 衣もふわふわしてて、すっごく美味しい。これオススメです! そして下町フライの味が残ってる間にドブを……あー、もう最高。美味しすぎて泣きそう(笑)。なんか酒場っていいなってしみじみ思いました。ちなみに私みたいな女性の下町呑み初心者が、酒場を楽しむための秘訣ってありますかね?」


一人呑みの楽しみ方を真剣に訊くもなりさん。

「お店の方にある程度委ねるのがいいんじゃないですかね。わからないことは教えてもらったりして、コミュニケーションをとってみたり。立石は女性の一人客も多いんですけど、結構安全なんですよ。この町に呑みに来る人は本当に酒が好きな人が多いから、変な下心を持ってるやつはほとんどいない。盛り上がって『もう1軒行きましょうか』って話になっても、本当に酒が呑みたいだけだったりしますからね(笑)」(日高さん)

 実際に酒呑み同士、自然と仲良くなることも多いんだとか。

「私もこういうお店に一人で行けるようになりたいな。東京のお友達を増やすためにも、一人呑みに挑戦してみます(笑)」


最後は店主・日高さんとのれん前でパチリ!


二毛作
所在地 東京都葛飾区立石1-14-4
電話番号 03-3694-2039
営業時間 月~金曜 14:00~22:00、土曜 12:00~21:00
定休日 日曜、第3月曜

文=宮内 健,撮影=石川啓次

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