2017/12/31 12:00

お店の実力がわかる“スーパーB級グルメ” 中華丼の深い旨みにレンゲが止まらない!

 “餃子セレブ”の異名を持つワインスタイリスト・藤崎聡子さんをナビゲーターに迎え、都内および近郊の「SB級=スーパーB級グルメ」を辿る企画。第1回の「餃子」篇、第2回「唐揚げ」篇に続き、最終回となる今回は「中華丼」にフォーカス。 

「中華丼を食べればそのお店の実力がわかる」という藤崎さん。スープのおいしさ、野菜の下ごしらえ、火の入れ方など実は多くのことを求められるがゆえ、厨房の手仕事ぶりがうかがえるのだとか。そんな独自の「眼と舌」を持つ藤崎さんが太鼓判を押す名店3軒をご紹介。

●上海四川料理 廣安(東京・広尾)


具材は、白菜、ほうれん草、人参、タケノコ、いか、エビ、豚の肩ロースなど。仕上げにかける、ネギ油とごま油の香りが食欲を刺激する。五目かけご飯 1,000円。

職人技が光る
“アガる”中華丼

「餃子や唐揚げと違って、中華丼はチェックポイントが多い」という、藤崎さん。野菜の大きさと厚みは均一か、スープに工夫はあるかといった基本的なことにはじまり、旨み具材となる肉および海鮮の割合、あんかけのとろみ具合、タケノコの切り方まで、項目は多岐にわたる。それらすべてをクリアし、藤崎さんの胃袋を掴んで離さないのがこちらの中華丼。

「独特のコクと旨みがくせになるおいしさですよ」。藤崎さんが賛美するその味わいの秘密は、醤油とオイスターソースの配合バランス。そこに自慢のオリジナルスープが加わり、さらに深みをそえる。店主が見習いとして修業していた、今はなき店の味を意識したという。


カウンターとテーブル席のほか、奥には個室も用意。広尾という場所柄、落ち着いた雰囲気。カウンター席もあるので、女性ひとりで気軽に行けるのも好ポイント。

 店主が今のお店として独立したのは今から6年前。そのおいしさはすぐにまわりに伝播し、積極的に宣伝をしなくとも“町の中華屋さん”として地元に愛されるように。中華丼のほか、麻婆豆腐、黒酢酢豚といった料理も評判高い。

▼聡子の「眼」

コクのあるあんかけには
重厚な紹興酒が好相性


ランチについてくるスープも絶品。紹興酒は、グラス680円~。

 クラシックな中華丼には、中国を代表するお酒、紹興酒がよく合います。中華丼はともすれば味の変化がなくなりがちですが、ここの中華丼は食べ続けても飽きることなく最後まで食べられる。そこに紹興酒の旨みがレイヤードされることで、より奥深い味わいとなり、レンゲが止まらない(笑)。同じあんかけを使った五目あんかけそばまでオーダーしそうになるのを、いつも抑えています(笑)。


中華丼と合わせる紹興酒には砂糖を入れない方が、あんかけの旨みをじゃましないので、おすすめだそう。


上海四川料理 廣安
(しゃんはいしせんりょうり・こうあん)

所在地 東京都渋谷区広尾5-23-2 広尾センターハイツ108
電話番号 03-6277-2623
営業時間 ランチ 11:30~14:00/ディナー 17:30~22:30(L.O. 21:45)
定休日 月曜、日曜ランチ
※年末年始は2017年12月31日(日)から2018年1月3日(水)の昼まで休み。1月3日(水)の夜から営業開始

●ふーみん(東京・南青山)


五目かけご飯 1,150円(ランチ)、1,550円(ディナー)。

毎日でも食べたい!
野菜が主役の中華丼

 中華丼のおいしさを決めるのは「あんかけのとろみ」だという藤崎さん。「中華丼は数人でシェアされることも多い料理。そこで、小皿にわけたとき野菜が均一にいきわたらなかったり、とろみ加減がまばらだったりすることがある」。その点、ここの中華丼のとろみはどこをすくってもまろやかで、一枚布のように安定感があるとか。「さらに、新鮮な野菜たっぷりのヘルシーな中華丼は、女性にうれしいですね」と藤崎さん。

シャキシャキ野菜の秘密


この火力と鍋使いはプロならでは。

 野菜本来の味とシャキシャキした食感を出すため、中華料理の手順では欠かせない野菜の油通しをこちらではあえてしない。一方、肉やシーフード類はさっと油をくぐらせ旨みを閉じ込める。強い火力で野菜を手早く炒めたら、鶏、豚骨、ネギなどの香味野菜からじっくりとったオリジナルスープで煮込む。そこに肉とシーフードを加え、マイルドなあんかけに。強い火力と熟練の技が送り出す、野菜が主役の中華だ。


大きなガラス窓が配され、地下とは思えない開放的な店内。

 47年前に、“ふーみんママ”の愛称で親しまれている斎風瑞さんがキラー通りにお店を構えたのがはじまり。以来、数回の移転を経て、ここ南青山に店を構えて早32年。場所柄、美容師やスタイリスト、セレクトショップの店員から芸能人まで、感度の高い人も訪れることから“おしゃれな町の中華屋”として愛されている。

▼聡子の「眼」

野菜の旨み引き立つあんかけと
レモンサワーの酸味が好相性


レモンサワー 750円。

 ここの中華丼のポテンシャルを最大限にいかすのは、生搾りのレモンサワー。ほどよいとろみのあんかけにすっきりとした喉越しが心地よく、レモンの酸味が野菜の旨みをさらに引き立てます。胃もたれしない食後感は感服ものですね。おかげで、サイドメニューも頼んでしまうのだけど(笑)。


“中華丼道”について語らう白井料理長と藤崎さん。表参道界隈で打ち合わせがあると、ついつい立ち寄ってしまうそう。


ふーみん
所在地 東京都港区南青山5-7-17 小原流会館B1F
電話番号 03-3498-4466
営業時間 11:30~16:30(L.O. 16:00)/18:00~22:00(L.O.21:30)、土曜 17:30~21:30(L.O.21:00)
定休日 日曜、祝日、第1月曜

●中国飯店 小天地(東京・六本木)


五目かけごはん 1,400円。ランチでも登場するが内容が異なるので気をつけて。

中華丼の奥深さに開眼した
名店の味

「それまで中華丼といえば家庭料理のイメージが強かったけれど、ここの味を知ってから変わりました」と藤崎さんが語るように、実は多くの技が求められる中華丼は、専門店でこそ味わいたい料理。

「一度食べたら忘れられない、オイスターソースの独特な香りと風味は、じっくり出汁が出た上湯(スープ)とのブレンドによる賜物。家庭では真似できませんよね」。たかが中華丼、されど中華丼。20年前にこの味を知って“中華丼研究”が始まったという、藤崎さんの原点ともいうべき一皿だ。

 野菜は白菜を使わず、レンコンとキャベツを入れるのが小天地流。ほか、しいたけ、豚肉、いか、海老。そして彩りとしての青梗菜。こちらでも、肉、シーフード類は油通しをして旨みを閉じ込めるが、野菜は炒めるのみ。「本場中国では味の濃淡をはっきりさせますが、日本人の好みに合わせて少しマイルドに仕上げています」と料理長がいうように、コクがありながらも上品な味わいに仕上がっている。


広々とした地価のフロアは、宴会の場としてもよく使われる。

 六本木駅から徒歩5分とアクセス至便。名門・中国飯店の本格的な味をカジュアルな空間で味わえると評判のお店。北京ダックなどおなじみの一品料理、点心、小皿料理が充実しているので、仲間で訪れてシェアするのも楽しい。今なら、旬の上海蟹のメニューが充実。ぜひ、足を運びたい。

▼聡子の「眼」

絶品のあんには
樽香のある白ワインが一番!


この日選んだのは、ベリンジャー・カリフォルニアのシャルドネ。グラス 700円。

 ワインリストが充実しているのもこのお店の好きなところ。小皿料理も充実しているし、飲んで食べるワイン好きにももってこいのお店ですね。滋味深いオイスターソースの効いたあんかけには、樽香がしっかりしていて、果実の甘みがある白ワインがよく合います。こちらの中華丼とワインを夜ご飯として食べることもよくあります。


「これぞ中華丼の真髄と言わせる伝統の味」で、訪れるたびに初心に立ち返るのだとか。


中国飯店 小天地
所在地 東京都港区西麻布3-1-22 クレストビル
電話番号 03-3405-5508
営業時間 11:30~15:00(L.O. 14:30)、17:30~23:00(L.O.22:30)
定休日 日曜

文=吉村セイラ,撮影=平松市聖

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