2018/12/12 00:00

おすもうさんのちゃんこ鍋

おすもうさんの大きな体と強さの源となるのが、相撲部屋の「ちゃんこ鍋」。厳しい稽古のあと、親方から入門したての力士までが、大きな鍋を囲んでいただきます。具だくさんでボリュームたっぷり、栄養バランスも満点。そのおいしい魅力をお伝えします。

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相撲の聖地、東京・両国にある国技館。周辺の墨田区、江東区には、多くの相撲部屋があります。そのひとつが江東区・清澄白河にある高田川部屋。相撲部屋の朝は早く、午前8時に伺うと、すでに稽古の真っ最中。高田川親方(元関脇・安芸乃島)自ら、まわし姿になり、厳しく指導する声が飛びます。
稽古場の2階が、調理を行い、食事をとる「ちゃんこ場」のフロア。ちなみに「ちゃんこ」とは、相撲部屋での食事全般を指します。おすもうさんの食事は、ハンバーグもパスタも、すべて「ちゃんこ」。その中でも、古くから食べられてきた鍋料理を総じて、「ちゃんこ鍋」といいます。
「ちゃんこ鍋」には、「鍋」という以外の、細かな決まりはありません。部屋ごとにいろいろな種類を作り、入れる具材や味つけもバリエーション豊かです。
高田川部屋の本日の「ちゃんこ鍋」は「豚ちり鍋」。親方も若手力士も好物のメニューで、特製のポン酢だれで食べます。
ちゃんこを作るのは力士の仕事。当番制の部屋も多いですが、高田川部屋では、ちゃんこ長がいて、メニューや主な調理を取り仕切り、稽古上がりの力士がそれを手伝います。
ちゃんこ長の櫻さんは、ほかの部屋でも評判になるほどの料理の腕前。稽古を終え、まわし姿のまま、てきぱきと準備を進めます。
「お客さんも多いので、毎日、だいたい30〜40人分作ります。鍋のほか、5〜6種類のおかずを用意します」
「豚ちり鍋」のメインは豚バラ肉ですが、野菜やきのこ類がたっぷりと入ります。
「ちりはだしを使わずたれで食べる鍋。うちの部屋のポン酢だれは、しょうゆをベースにレモンをしぼり、皮も刻み入れます」
ほかにすりおろしたにんにくや大根、白ねぎが入り、風味豊か。具材が煮えたらお椀に盛り、たれをかけて食べます。さっぱりした味わいで箸が進みます。
高田川親方は、部屋を開くにあたり、揚げ物のフライヤーやグリルなど、レストラン並みの厨房設備を用意。
「ちゃんこの語源は諸説ありますが、私は父(ちゃん)と子(こ)だと思っています」と親方。
毎日の食事が体を作るというだけではなく、「厳しい稽古の日々でも、おいしいものを食べて、食事を楽しんでほしい」という親方の“親心”が「ちゃんこ鍋」には込められています。
※テキストでは、料理研究家の冬木れいさん考案の家庭版ちゃんこ鍋のレシピを紹介しています。
■『NHK趣味どきっ!心も体もぽっかぽか 鍋の王国』より

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