2017/09/06 16:20

日本のドラマ「黒革の手帖」、時代問わず面白い理由とは?―中国コラム

日本ドラマファンなら必ず「黒革の手帖」を知っているだろう。2004年、女優の米倉凉子は同作品にヒロインの原口元子役で出演し、大ブレイクした。
日本ドラマファンなら必ず「黒革の手帖」を知っているだろう。2004年、女優の米倉凉子は同作品にヒロインの原口元子役で出演し、大ブレイクした。

日本ドラマファンなら必ず「黒革の手帖」を知っているだろう。2004年、女優の米倉凉子は同作品にヒロインの原口元子役で出演し、大ブレイクした。そして、銀座のクラブのママとして男を翻弄する「悪女」のイメージを、日本ドラマファンの心に植え付けた。今年の夏、その「黒革の手帖」が再びドラマ化され、元子役を武井咲が、議員秘書・安島富夫を江口洋介が演じている。(文:張禎希。文匯報掲載)

「黒革の手帖」は日本文芸界の不朽の名作。原作の長編小説の作者は、日本の推理小説界の「三大巨匠」の一人である松本清張で、没後25周年を記念して、今年再びドラマ化された。1982年からこれまでに計6度ドラマ化され、各時代に合わせた「元子」が描かれてきた。

1970年代末から連載が始まったこの作品が、今でも多くの人の心を打つのはなぜなのだろう?ドラマ化されるたびに、毎回少しの変化があるが、各時代の声をどのように反映させているのだろう?

▼女性の命題「自分の野望とどう付き合うか」

ドラマをおもしろくしているのは、松本清張の原作のすばらしい設定。40年以上たった今も、そのストーリーが人の心を打つのは、各時代の日本の女性が遭遇する問題や多くの女性が感じている「自分の野望とどのように向き合い、処理すればいいのか」という葛藤を絶妙に表現しているからだ。

「黒革の手帖」において、元子の野望は、銀座一のクラブを持ち、権力とお金を手に入れることだ。実際には、日本ドラマでは、「野望」はモラルに欠けた暗い話題ではなくなっている。昨年大ヒットしたドラマ「東京女子図鑑」は、現代の人々の普遍的な野望を表現している。主人公の綾は、典型的な物質主義の女性で、田舎に生まれた彼女は子供ころから大都市の派手な生活にあこがれていた。そして、上京した当初は三軒茶屋に住み、そこから住む場所を少しずつ銀座へと移動させ、住む場所や富で、人生の成功の度合いを測る。

このような以前なら心のうちに隠していた「野望」が、この2作品では、モラルに欠けているものとして批判したりはせず、その代価を示し、良い意味で考えさせられる内容となっている。華やかな生活にあこがれる綾は、常に物質とお金で社会的地位を向上させ、自分よりお金のない人を思わず見下げている。しかし、彼女自身も他の人に見下げられてきた「被害者」で、お金持ちの家に生まれてきた友達たちに認められることは永遠にない。一方、「黒革の手帖」の元子は、自分の野望を実現させるために、本当の愛、ぬくもりさえもあきらめる。

▼毎回それぞれの時代背景を映し出すドラマ版「黒革の手帖」

「黒革の手帖」は1970年代末から、「週刊新潮」で連載が始まった。中国人に最も広く知られる米倉凉子版のドラマ「黒革の手帖」と違い、原作の元子は若くも美しくもなく、ヒロインのオーラなど全くない。男性主人公も、彼女を愛することはなく、他の人と一緒になって彼女をだまし、近付く人や交際全ては、彼女を陥れるための計画の一部だ。元子もあらゆる手練手管を尽くすものの、最終的には敗北を喫する。

ある日本の学者は、このようなストーリーは、松本清張の社会派の作風と関係があり、現在の日本の時代背景とも密接な関連があると分析している。当時、日本の会社や企業は、女性従業員を決して優遇していなかった。そのため、結婚適齢期になっても、仕事をしていると、無視されたり、窓際に追いやられたりした。原作では元子が銀行で15年働いていたものの、そのような運命を変えることはできず、その不満を心に秘めていた。松本清張が、聡明で仕事ができる主人公の結末を悲惨なものとして描いているということは、日本の女性が男性主義社会において、野望を実現することができずに絶望を感じていることを見通していたようだ。

ここ20年、日本ドラマは「激励」系へのシフトチェンジが際立っている。そのため、元子は、抑圧されながらもそれを跳ね返し、自分を見下げていた人を見返す女性になった。主人公の「逆襲」は非常に痛快で、多くの人が「黒革の手帖」を見る最大の理由になっている。そして、同作品の人間性への深い追求は忘れ去られているかのようだ。幸いにも、ドラマの設定から、時代発展の脈を感じ取ることができる。

米倉凉子が演じた元子は、ひねくれた性格で、とても地味な銀行員から華々しい銀座のクラブのママへと変身し、まさに華麗なる転身を実現する。しかし、主人公の人を励ます言動は多くの人に好まれ、目的を達成するために手段を選ばない彼女であるものの、男性に依存している女性は好まず、体を売るという「一線」を超えることは決してしない。原作と違い、米倉涼子版のドラマは、女性の独立、自立という意識を強調している。

最新版に出演する武井咲は93年生まれで、これまでで最も若い元子となる。米倉凉子版が男性主義の日本社会で奮闘する日本の女性を描いているというなら、武井咲版は、日本社会において不公平な待遇に立ち向かうごく普通の人を強調しているといえるだろう。例えば、元子の立場は正社員ではなく、いつ首切りにあうか分からない「派遣社員」になっており、父がギャンブルで作った借金を背負うという新たな設定が加わっている。(提供/人民網日本語版・編集KN)

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